街の歌

カリフォルニアの歌〜ママス&パパスの名曲にまつわる時代背景と誕生秘話〜

2015.02.15

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「California Dreamin’」/ママス&パパス


All the leaves are brown and the sky is gray
I’ve been for a walk on a winter’s day
I’d be safe and warm if I was in L.A.
California dreamin’ on such a winter’s day

木の葉はみんな枯葉色、そして空はどんより鉛色
そんな冬の日、僕は散歩していたんだ
もしロスにいれば気持ちが安らぎ暖かいのに…
こんな冬の日にはカリフォルニアを夢見るよ

Stopped in to a church I passed along the way
Well I got down on my knees and I pretend to pray
You know the preacher liked the cold
She knows I’m gonna stay
California dreamin’ on such a winter’s day

通りすがりの教会に立ち寄ったんだ
ひざまずいて、お祈りの真似事をしたよ
牧師には寒いほうが都合がいいんだろうね
寒いと僕が長居することを知っているからね
こんな冬の日には、カリフォルニアを夢見るのさ


1965年のこと。
ミシェル・フィリップス、キャス・エリオット、デニー・ドハーティ、ジョン・フィリップス(写真L→R)という、一組の夫婦を含んだ男女4人によってママス&パパスは結成される。
彼らが同年に放ったデビューシングル「California Dreamin’(夢のカリフォルニア)」は、たちまちヒットチャートを駆け昇り、時代を代表する一曲となる。
その“時代”とはどんな時代だっのか?
―――彼らは、当時ウェストコーストロックの特徴でもあった“フォークロック”の先駆者であり、サンフランシスコを中心に全米に広がっていったフラワームーブメント(平和運動)の中心にいた。
ベトナム戦争を背景に、平和と愛の象徴として花で身体を飾っていた若者達は“フラワーチルドレン”と呼ばれた。
『武器ではなく、花を』をスローガンに掲げた約10万人の若者達が、サンフランシスコのヘイト・アシュベリー周辺に集まり“サマー・オブ・ラブ”という社会現象まで巻き起こすこととなる。
サンフランシスコ以外にも膨大な数のヒッピー達がニューヨーク、ロサンゼルス、フィラデルフィア、シアトル、ポートランド、ワシントンD.C.、シカゴ、カナダのモントリオール、トロント、バンクーバーやヨーロッパの各都市に集った。
当時のサンフランシスコは音楽、ドラッグ、フリーセックス、表現、政治的意思表示の中心地、ヒッピー革命の本拠地となっていた。

1967年、リーダー的存在だったジョン・フィリップスが史上初の野外ロックコンサート『モンタレー・ポップ・フェスティバル』のプロデュースに関わり、ママス&パパスは時代を象徴するグループとなった。
彼らはその後、クロスビー,スティルス&ナッシュの結成を応援したり、ジョニ・ミッチェルのデビューに貢献したりもする。

※関連記事
■「モンタレー・ポップ・フェスティバルが生んだ伝説~ジャニス・ジョップリン、神がかりのような熱唱」(佐藤剛)
http://www.tapthepop.net/day/10821
■「モンタレー・ポップ・フェスティバルが生んだ伝説~オーティスから清志郎に受け継がれた希望と勇気」(佐藤剛)
http://www.tapthepop.net/day/10825

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さかのぼること数年…1962年のある日の出来事だった。
まだハイスクールの学生だったミッシェルはカリフォルニアのライヴハウスで、フォークバンド“ニュージャーニーメン”のステージを観に行く。
彼女はそこで演奏していた背の高いギタリストのジョン・フィリップスに一目惚れした。
二人はその日のうちに意気投合し、駆け落ちのような形でニューヨークへ向かったという。
同年の年の瀬(12月31日)に、二人は結婚する。
ミッシェルはあるTV番組で、当時のことを振り返りながらこんなエピソードを語っている。

友だちはニューヨークは寒いからウールを着ていった方がいいとアドバイスしてくれたけど、私はその意味をちゃんと理解せずに薄着のまま冬のニューヨークで寒さに震えていたの。 
ある夜、モーテルの一室で寝ていると夜中にジョンが「曲が出来たから起きてくれ」と言って起こされ、一緒に曲作りを手伝ったわ。 
それが「California dreamin’(夢のカリフォルニア)」だったの。


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1965年、二人はカリフォルニアに戻って旧友のキャス・エリオットやデニー・ドハーティと合流し、ママス&パパスを結成する。 
彼らはヒッピーのような生活を続けながら、当時「Eve of Destruction(明日なき世界)」や「Green Green」のヒットで頭角を現していたカリフォルニアのシンガーソングライター、バリー・マクガイアの家に転がり込んでいた。

「Eve of Destruction(明日なき世界)」/バリー・マクガイア


「Green Green」/バリー・マクガイア

そこで彼のバックバンドの仕事をしたりレコーディングにも参加していた。
実はこの「California dreamin’(夢のカリフォルニア)」は、最初バリー・マクガイアがリードボーカルでレコーディングしたのだという。
それは、彼らからバリーに対する「居候(いそうろう)」や「仕事」の御礼の意味でもあった。
ところが、その歌入れの翌日に当時のプロデューサーが「これは彼らの曲だから、やっぱり彼らに歌わせよう」ということになり、急遽ママス&パパス4人でのバージョンが録音されたのだ。

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そのシングルレコードがいきなり全米4位の大ヒットとなり、セカンドシングル「Monday Monday」は見事1位を獲得する。
両曲を含むファーストアルバムもヒットして、彼らは一躍スターへの階段を駆け上ってゆく。
1967年にスコット・マッケンジーが歌って空前の大ヒットとなった「San Francisco(花のサンフランシスコ)」は、スコットと幼なじみだったジョン・フィリップスが手掛けたものだった。 

「San Francisco」/スコット・マッケンジー

そんな輝かしい成功の影で、グループ内での不倫などが発覚し…ママス&パパスの活動期間は1965年~1968年とわずかなものとなった。
1971年から一年間だけ再結成されたこともあったが、その後は各々が別の道を歩む形となった。
解散の翌年(1969年)、グループを崩壊へ追い込んだ“不倫騒動”の原因を作ったミシェル・フィリップスは映画俳優デニス・ホッパーと結婚し…たったの1週間で離婚したという。
彼女はその美貌を活かして1970年代から女優として再スタートを切り、数作の映画に出演した後、主な舞台をTVドラマの世界に移す。
「新スタートレック」他、「デスパレートな妻たち」、「ビバリーヒルズ高校白書」などなど、日本でも有名なドラマに多数出演している。
時は流れ…1998年、ママス&パパスは60年代後期に成し遂げた様々な功績が認められ“ロックの殿堂入り”を果たす。
ビーチボーイズやカーペンターズ、そして盲目の天才アーティスト、ホセ・フェリシアーノが素晴らしいカヴァーバージョンを聴かせてくれる中、日本では今をときめく“アイドルグループ”の元祖ともいえるキャンディーズが歌っていたり、伝説のメロコアバンドHi-STANDARDがカヴァーをしている。
また、アジア独特の様式美を映像の世界で表現する映画監督ウォン・カーウァイの大ヒット作『恋する惑星』(1994年)の劇中で、同曲が効果的に使用されて話題となった。


All the leaves are brown and the sky is gray
I’ve been for a walk on a winter’s day
If I didn’t tell her I could leave today
California dreamin’ on such a winter’s day
California dreamin’ on such a winter’s day
California dreamin’ on such a winter’s day

木の葉はみんな枯葉色、そして空はどんより鉛色
そんな冬の日、僕は散歩していたんだ
彼女にあんなこと言わなければ
今日にでも、ここを旅立つことができたのに
こんな冬の日には、カリフォルニアを夢見るのさ
こんな冬の日には…そう、こんな冬の日にはね



「California Dreamin’」/ホセ・フェリシアーノ



「California Dreamin’」/カーペンターズ


「California Dreamin’」/ザ・ビーチボーイズ


「California Dreamin’」/キャンディーズ


「California Dreamin’」/Hi-STANDARD


「California Dreamin’」/映画『恋する惑星』より

ママス&パパス『If You Can Believe Your Eyes & Ears(夢のカリフォルニア)』

ママス&パパス
『If You Can Believe Your Eyes & Ears(夢のカリフォルニア)』

(1966/ユニバーサルミュージック)


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