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街の歌

銀座カンカン娘・前編〜昭和の人気女優の光と影、そして幻となった歌詞

2022.09.08

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「銀座カンカン娘」/高峰秀子(SP盤)




日本随一の繁華街、銀座。
戦後復興と共に歩んだ昭和の時代…この街を舞台に、数々の歌が生まれた。
「銀座カンカン娘」は1949年(昭和24年)、すなわち終戦の4年後につくられた同名の映画の主題歌として主演女優の高峰秀子(たかみねひでこ)が歌った曲である。
美空ひばりから井上陽水まで、ジャンルを問わず数多のシンガー達がカヴァーしてきた昭和の名曲だ。
「東京ブギウギ」「青い山脈」「蘇州夜曲」などのヒットでも知られる“和製ポップスを築いた音楽家”服部良一の代表曲でもある。
高峰秀子(享年86)は北海道・函館市出身で、1929年5歳の時に映画『母』(1929年・昭和4年)でデビュー後、天才子役として注目を集め、成人後も「デコちゃん」の愛称で国民的人気を博した女優だ。
彼女は4歳の時に母を結核で亡くし、かねてから秀子を養女にと望み、名付け親にもなった父の妹・志げの養女となって東京に移り住む。
思いがけないきっかけから5歳で映画のオーデションに合格すると、たちまち子役として撮影所の人気者となる。
養母はその収入をあてに生活をするようになり…さらには北海道から生活苦に陥った祖父一家が引っ越してきたりして、彼女が13歳の時には養母を含む親族9人の生活費を稼ぐ役割にされていたという。
子役として人気があったとはいえ、収入はまだ少なく…いくら沢山映画に出演して頑張っても、家計はいつも火の車だった。
仕事のために学校には行けず、小学校の時に1か月ほど通っただけだった。
子供らしい普通の時間も持てず、撮影でお金を稼ぐ毎日だったという。
学校へ行かなかったために、掛け算は大人になってもできなかった。
本を読むのが好きで、眠る前の布団の中で寸暇を惜しんで読もうとしても、学のない養母は「私への厭味(いやみ)かい!」と言って、いい顔をしなかったのだという。
彼女は執筆したエッセイ『私の渡世日記』で、自身のことをこんな風に語っている。


当時、二十五歳の私は、好むと好まざるとにかかわらず、人さえ見れば歯をムキ出して愛想をふりまかねばならむ「人気女優」という立場にいた。
いつも明るく美しく微笑んで、人を楽しませるために演技をする人形のような“人気スター”であった。
人には見せたくない部分、つまり売り物にはならぬ部分はすべてひっくるめて心の底に隠しこんでいったつもりだったのに、カンバスの中の私の表情は明らかにけわしく苛立って今にも泣きだ出しそうに歪んでいた。
キャメラの前では絶対に見せない、私だけしか知らない本当の私がそこにいた。   



昭和初期、テレビが一般に普及する前は映画が娯楽の中心であり、映画と音楽は蜜月の関係にあった。
このミュージカル的な要素を取り入れた映画『銀座カンカン娘』では、高峰秀子と笠置シヅ子と岸井明が、銀座のキャバレーで客を相手に同名の主題歌を楽し気に歌う。
実は高峰秀子がレコードにしたバージョンとは違い、映画では笠置シヅ子が歌った“幻の歌詞”から始まるのだ。

「銀座カンカン娘」/映画『銀座カンカン娘』より



歌い出しの部分では“カンカン帽(麦わら帽子の一種)”が登場するのだが、レコード化される時に意図的に外されのだという。
だとすれば…誰かが何らかの理由で、この「カンカン」という言葉に“帽子だけではない”ニュアンスを含ませたことが推測される。
耳なじみも良く、何とも不思議な響きを持つ「カンカン」という言葉に、一体どんな意味が込められたのだろうか?



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オムニバス『青春歌年鑑 50年代総集編』

(2004/日本コロムビア)





こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。






【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】


9月3日(土)田川Diamond Moon
9月4日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
9月10日(土)米子MUSIC PUB海あに
9月17日(土)京都LIVE&SALON夜想
9月25日(日)久留米 八百屋カフェ農と音1号店
10月7日(金)兵庫(伊丹)HEAVEN`S KITCHEN伊丹昆陽店
10月8日(土)広島・呉Albatross
10月9日(日)岡山LIVE Cafe ペペの家
10月10日(月・祝)岡山Desperado(Bar side)
10月14日(金)唐津の海賊
10月15日(土)小倉Bar Disa
10月16日(日)大牟田 陽炎
10月21日(金)八戸Bar FLAT
10月22日(土)能代ハックルベリー
10月23日(日)秋田カウンターアクション
10月29日(土)横浜Bar Brixton Market
10月30日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
11月3日(木・祝)群馬・前橋 呑竜横丁 
11月22日(火)札幌SALINAS
11月23日(水)恵庭Mojo Hand 
12月2日(金)大阪 大きな輪
12日3日(土)和歌山OLD TIME
12月4日(日)広島Jammin’ bar
12月10日(土)福岡NIKAI
12月11日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html





【THE HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2022 “Only 2Men-6Days”】

9月18日(日)大阪 新世界ヤンチャーズ
9月19日(月・祝)名古屋 ROLLING MAN
9月22日(木)福岡 Bar KINGBEE
9月23日(金・祝)福岡 Bar KINGBEE
10月1日(土)新潟 Live Bar Mush
10月2日(日)仙台 Cafe de Lucille

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【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Autumn/Winter 2022 Japan Tour】

11月10日(木)大分・日田Chewing Gum
11月11日(金)佐賀 雷神 
11月12日(土)福岡・雑餉隈ZASSHO JAM
11月13日(日)熊本・八代7th chord
11月19日(土)札幌Log
11月20日(日)釧路 ガソリンアレイ
11月26日(土)高円寺MOONSTOMP
12月17日(土)埼玉・所沢MOJO


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佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
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090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
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