歌のタイトルなどでよく耳にする“セレナーデ”とは如何なるものなのか、皆さんはご存知でしょうか?
セレナーデ──それは一般的に、女性がいる部屋の窓辺に向かって男性が夕べ(夜)に歌う“愛の歌”の意味を持つという。
元々はドイツ語に語源があるという説が有力と云われている。
St[a]ndchen読みは「シュテントヒェン」。※[a] は、上に点が二つが来る [¨],ア・ウムラウト
これは英語のStandと同義語らしい。
Stand には「立っている状態」とか「売店」などの意味があるので、転じて「小さな売店」となり、「立っている状態」から「ちょっと立っている状態」、すなわち「立ち話」とか、立って歌を唄う「セレナーデ」の意味になったと云われている。
ドイツではSerenade と書いて「ゼレナーデ」と読み、最初が「セ」でなく「ゼ」となる。
英語だとserenade(セリネイド)、フランス語だと s[e]r[e]nade(セレナード)で「セレナーデ」とは読まない。※[e] はeの上に鋭アクセント[´]が付いた文字
音楽用語では「小夜曲」という訳語を当てるのだが、曲のタイプ・種類のことともう一つ、建物の窓辺にいる女性に向かって男性が恋の歌を唄いかけたり演奏することを意味するというのだ。
さらにルーツを辿ると、元々はイタリア語の serenata(セレナータ)から来た言葉で、発祥はイタリアなのだと云う。
serenata は、serenare(セレナーレ)という動詞の過去分詞派生形容詞の女性形の名詞化で“静めた・落ち着かせた”などの意味を持つ。
恋の歌や曲を演奏して“静めた”とは少し変だが…夜の静けさと関係があるのかも知れない。
高鳴る胸を抑えきれずに唄う情熱的なラブソングとは違って…セレナーデには夜の静けさがよく似合う“切なさ”や“哀しみ”が込められているのだろう。
♪「San Diego Serenade」/トム・ウェイツ
この曲は1974年にトム・ウェイツが発表した2ndアルバム『The Heart of Saturday Night(土曜日の夜)』に収録されたもの。
彼がまだ25歳の時の作品である。
アルバムはビルボードのアルバムチャートで最高201位とそんなに売れず、この曲自体シングルカットされたこともないのだが、ファンの間では“隠れた名曲”として長く愛され続けている。
大切なものは失ってみてはじめて気づくもの…。
喪失感、苦い経験、辛い別れ…そんな心の傷跡にそっと寄り添ってくれるこの珠玉のメロディ。
「Never~till…」という言葉が何度も繰り返される悲哀に満ちた歌詞をじっくりと味わいながら聴いてみて欲しい。
夜通し起きてでもいなければ 朝なんて見たこともなかった
灯をともすまで 太陽さえ見たことがなかった
ずっと離れて暮らしてみるまで 故郷があることにも気づかなかった
歌を必要とするまで メロディさえ聴いたことがなかった
おまえの名前を口にするまで 「愛してる」とさえ言ったこともなかった
気が狂いそうになるまで 心の糸に触れてみたこともなかった
カリフォルニアの南部に位置するサンディエゴは、トムが多感な十代を過ごした想い出の場所である。
この街にあるナポレオンのピザハウスで、彼は閉店後の雑役をしていた。
そうやって夜の裏街で繰り広げられるドラマの数々を見聞きしたことが、彼の楽曲のモチーフや場面描写に活かされているのだ。
トムが描き出す世界で一貫してきたのは、世の中からはみだした人達への愛情溢れる視線だった。
彼の歌の舞台は、色々な人達がたむろする深夜のバーであったり、華やかな表通りから外れた路地の一角であったり、さびれたモーテルであったりというのが圧倒的に多い。
そして、そこで息を潜めながらも、したたかに生きている人達への“優しい視線”に満ち満ちたものだった。
音楽的にも1970年代初期に登場したロサンゼルス周辺のシンガーソングライターの中で、トムは特異な個性の持ち主だった。
当時、カントリーロック調の演奏をバックに、爽やかな歌声で魅力を発揮するアーティストが多い中にあって、トムはそういった主流から逸脱したスタイルを確立させていた。
それはジャズやブルースなどもしたたかに吸収した唯一無二の“トム・ウェイツ節”とも云える歌世界だった。
♪「San Diego Serenade」/トム・ウェイツ(TV Show@ London 1979)
夜通し起きてでもいなければ 朝なんて見たこともなかった
おまえが愛の灯をともすまで 太陽さえ見たことがなかった
ずっと離れて暮らしてみるまで 故郷があることにも気づかなかった
歌を必要とするまで メロディさえ聴いたことがなかった
こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。


【山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR
“ちょっと長い関係の歌旅2021”】
2月20日(土)福岡 Bassic.
2月21日(日)札幌 Beggars Harlem
2月27日(土)新潟 Live Bar Mush
2月28日(日)下北沢 Laguna(限定20名入場可+配信ライブ)
3月12日(金)久留米 農と音
3月13日(土)熊本・八代 7th chord
3月14日(日)大牟田 陽炎
3月16日(火)行橋 Memphis
3月18日(木)東広島 pasta amare
3月19日(金)大阪 新世界ヤンチャーズ
3月20日(土)静岡・御前崎 Cook House椿
3月21日(日)名古屋 ROLLINGMAN
4月2日(金)仙台 ホームラン酒場
4月3日(土)山形 ヱレキ酒場オリハント
4月4日(日)秋田 カウンターアクション
4月8日(木)長崎 R-10
4月10日(土)和歌山 OLD TIME
4月11日(日)所沢 音楽喫茶モジョ
4月12日(月)横浜 Bar Take’s
4月15日(木)小郡 ジラソーレ〜8周年記念スペシャルライブ〜
4月16日(金)愛媛 スタジオOWL
4月17日(土)徳島 デラシネ
4月18日(日)高知 A’bar
4月21日(水)福岡 Bassic.(限定15名入場可+配信ライブ+TOUR総括スペシャルトーク&スライドショー)
↓チケットご予約&公演詳細はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12634659162.html


【佐々木モトアキ独り唄いTOUR“歌ものがたり2021”春夏】
5月1日(土)岡山Desperado
5月2日(日)島根(出雲)Bar Soul
5月3日(月・祝)鳥取(米子)シンワンメイク
5月4日(火・祝)昼-鳥取(米子)スナックCandy
5月4日(火・祝)夜-鳥取(米子)LiveたちQ赤ラベル
5月8日(土)山口(下関)T-Gumbo
5月9日(日)福岡(みやま)柿原酒店
5月16日(日)茨城(水戸)音食座敷 開化亭
5月22日(土)青森Be on cafe 222
5月23日(日)盛岡FEELGOOD
5月28日(金)京都 夜想
5月29日(土)兵庫(宝塚)IL grazie
5月30(日)八幡DELSOL café
6月5日(土)広島OK鉄板
6月6日(日)佐賀LIVE BAR雷神
6月12日(土)埼玉(新座)エアストリームカフェ
6月13日(日)新潟(三条)Gallery Bar Veronica
6月25日(金)群馬(前橋)Cool Fool
6月26日(土)東京(高円寺)MOONSTOMP
6月27日(日)埼玉(川越)大黒屋食堂
7月3日(土)田川Diamond Moon
7月4日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
7月6日(火)福岡(薬院)遊来友楽
7月10日(土)熊本(八代)bar 7th chord
7月11日(日)山口(柳井)みんなの広場 Live Village
7月16日(金)蒲郡Chot Bar VOODOO LOUNGE
7月17日(土)名古屋 喫茶ニューポピー
7月18日(日)浜松(弁天島)LIVE & DISCOマルガリータ
7月24日(土)群馬(渋川)Casa Midori
7月30日(金)岩手(宮古)カントリーズcafe
7月31日(土)岩手(二戸)HOUSE OF PICNIC
8月1日(日)秋田(能代)ハックルベリー
8月3日(火)小郡 ジラソーレ
8月7日(土)群馬(下仁田)otenki食堂
8月21日(土)久留米 農と音
8月22日(日)山口(萩)玉ネギ畑
8月23日(月)東広島pasta amare
8月27日(金)福岡 Bassic.
8月28日(土)LIVE BAR雷神
8月29日(日)大牟田 陽炎
↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660274732.html
新作ミニアルバム『You』のタイトルナンバー「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。

佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。
例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
ライブイベントの紹介・宣伝文や、アーティストの紹介文なども対応できます。
音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。
音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
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