♪Tom Traubert’s Blues (Four Sheets to the Wind in Copenhagen)/トム・ウェイツ
オールド・ブッシュミルズで俺は千鳥足
放浪の旅に出よう
お前は俺と一緒に旅に出るんだ
1976年、トム・ウェイツが27歳の時に発表した名曲「トム・トラバーツ・ブルース」の一節だ。ここに出てくる“オールド・ブッシュミルズ”とは、アイリッシュウイスキーの名前。今までインタビューでの発言や歌の中で、自身がアイリッシュの血を引く事について特に触れてこなかった彼が残した唯一の“メタファー(暗喩)”である。
デビューから3枚のアルバムを発表したものの、セールス面では実績を残せなかった彼は疲れきっていた。そこでレコード会社の援助を受けてロンドンに渡り、滞在中にこの「トム・トラバーツ・ブルース」を書いた。それは都会の夜を彷徨う放浪者の視点で、ボロボロになった自身の“孤独感”や“やり切れなさ”を描いたトム・ウェイツ流の叙情詩だった。
トムが幼い頃、一家はカリフォルニア州南部のブルーカラー(肉体労働者)が暮らす田舎町を転々とした。(デビュー当時の本人談で与太話の可能性あり!?)それはスタインベックの小説『怒りの葡萄』に登場する移民労働者達が安住の地を求めて辿り着いた場所。そこで彼が親しんだ音楽と言えば、父親が口ずさむアイリッシュ民謡、ラジオから聴こえてきたジャズ、そして下町の酒場で奏でられていたキャバレー音楽や、流れ者が路上で爪弾くブルースだった。
父ジェシー・フランク・ウェイツのルーツは、スコットランド系とアイルランド系。
母アルマの家系にはノルウェー人の血が流れていて、旧姓はマクマレイ(MacMurray)。
“Mac”の付く姓は、ゲール系(アイリッシュ、スコティッシュ)を表している。
そもそも彼の“ウェイツ”という苗字の語源は、中世の“見張り人”を意味し、当時は一時間毎に時の経過を祝うのが仕事だったという。
また、トムの妻キャスリーン・ブレナンの祖父がアイルランド出身ということもあり、二人は新婚旅行でアイルランドを旅して歩いた。
「俺の一番得意な楽器? そりゃボキャブラリーさ!」
そんな粋な名句をサラリと吐き捨てる“言葉の魔術師”に、アイリッシュ血統(ルーツ)について質問をすると、きっとこんな答えが返ってきそうだ。
「俺はウェイツだせ!時計を見張る仕事が忙しくて、そんなもの辿ってる暇なんかないんだ!」
そしてウイスキーに口をつけて一言。
「確か昔ひとつだけ残してるはずだぜ…千鳥足の足跡を!」
“Walzting Matilda”とは、19世紀の末にオーストラリアの俗謡詩人バンジョー・パターソンが、スコットランド民謡を基にして書いたと言われているオージーの愛唱歌。
「Matilda」は荷物のことで、「マチルダ(荷物)を踊る」というのは「放浪の旅をする」といった意味を指す。 “酔いどれ詩人”、または“言葉の魔術師”の異名をもつトムが、この楽曲の歌詞に「Walzting Matilda」を引用した理由に、べトナム出征兵士の間で使われた「ヘロインを射つ」という意味(スラング)を忍ばせているという俗説もある。
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佐々木モトアキ
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