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我が窮状〜稀代のスーパースター沢田研二の反骨精神

2024.04.17

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【窮状(きゅうじょう)】という言葉を辞書でひいてみる。
「困っている状態」「大変苦しい立場にいるようす」「痛々しい状態」などと書いてある。
この歌は、日本を代表する人気歌手“ジュリー”こと沢田研二が2008年に発表した還暦記念アルバム『Rock’n Roll March』に収録されている。
作詞は彼自身の手によるもので、作曲は沢田の盟友でもあり日本を代表する作曲家、大野克夫によるものだ。 


以前、彼は新聞のインタビューでこんなことを語っている。

還暦の前のあたりから『言いたいことを言わなきゃ』と思うようになった。
60歳越えたら余生、死ぬ準備をしているようなものだから。
アイドル時代は『表現の自由』がなかった。
華麗なジュリー、セクシーなジュリーに似合わないことは言えなかった。
芸能界で今“言いたいこと”を堂々と歌える歌手は多くない。
様々なしがらみが、様々な形でつきまとうから。
僕も『テレビに出られなくなるよ』と言われたことがある。
それでいい。
18歳でこの世界に入り、いつまでもアイドルじゃないだろ。
昔はジュリー、今はジジイ(笑)
太ったっていいじゃない(笑)
好きな事を、コツコツとやっていこうと思っている。
昔の名前を利用しながら…ね(笑)

[2012年5月4日付朝日新聞より抜粋]


彼はザ・タイガースでデビューした19歳から現在に至るまでの約55年間、毎年欠かすことなくレコーディングし、作品を発表し、ツアーを行ってきた。
この実績は、日本はおろか海外でも類を見ない偉業といえるだろう。
還暦を過ぎて“言いたいこと”を歌うスタイルをより濃く打ち出しながら現在もコンサートを中心とした活動を続けている。
また、ここ数年は『自分はテレビに出られない(正確には出ない)』という理由でNHK紅白歌合戦からの(過去のヒット曲での)出演オファーを何度も断っているという。
彼はナツメロを唄う“昔の歌手”ではなく、現役のアーティストである。
彼のコンサートの当日券売り場に行列ができることはないという。
それは何を意味するのか?
そのほとんどの公演で約8,000円のチケットが完売するのだ。
彼は日本で初めて野球場で唄った男だ。
そして日本で初めて武道館単独公演を成功させた男でもある。
日本で初めてテレビ局が用意した楽団の伴奏ではなく、自分のバンド持ち込んでパフォーマンスしたのも彼だ。
日本人として初めてフランスのチャートで上位にランクインした男としても知られている。
還暦にして東京ドーム&京セラドーム大阪を埋め尽くしたファンを前に、約6時間半にも及ぶステージで80曲を歌いきったアーティストは彼の他にいないだろう。

「僕は夢を見ない、なぜなら16歳の頃からずっと憧れていた夢の世界に今もいるから。」



【沢田研二オフィシャルサイト】
http://www.co-colo.com

沢田研二『ROCK’N ROLL MARCH』

沢田研二『ROCK’N ROLL MARCH』

(2008/ココロ・コーポレーション)





「戦争のつくりかた」アニメーションプロジェクト-What Happens Before War?-

【戦争のつくりかた特設サイト】
http://noddin.jp/war/


2012年8月20日、シリアを取材中、銃撃によって志を絶たれたジャーナリスト・山本美香さん(享年45)の言葉をご紹介します。(書籍『戦争を取材する〜子供たちはなにを体験したのか』/山本美香・著より)

平和な世界は、たゆまぬ努力を続けなければ、あっという間に失われてしまいます。
世界は戦争ばかり、と悲観している時間はありません。
この瞬間にもまたひとつ、またふたつ…大切な命が奪われているかもしれない。
目をつぶって、そんなことを想像してみて下さい。


■『戦場に咲いた小さな花 山本美香という生き方』(ドキュメンタリー番組・約45分)






こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの活動情報です♪

【佐々木モトアキ公演スケジュール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html


【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html


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