TAP the NEWS

我が窮状〜稀代のスーパースター沢田研二の反骨精神、歌に込めた切なる願い(メタファー)とは?

2015.08.30

Pocket
LINEで送る


麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが 
忌まわしい時代に 遡るのは 賢明じゃない
英霊の涙に変えて 授かった宝だ

この窮状 救うために 
声なき声よ集え
我が窮状 守りきれたら 
残す未来輝くよ


【窮状(きゅうじょう)】という言葉を辞書でひいてみる。
「困っている状態」「大変苦しい立場にいるようす」「痛々しい状態」などと書いてある。
この歌は、今年で67歳を迎えた日本を代表する人気歌手“ジュリー”こと沢田研二が2008年に発表した還暦記念アルバム『Rock’n Roll March』に収録されている。
作詞は彼自身の手によるもので、作曲は沢田の盟友でもあり日本を代表する作曲家、大野克夫によるものだ。 

麗しの国 日本の核が 歯車を狂わせたんだ
老いたるは無力を気骨に変えて 礎石となろうぜ
諦めは取り返せない 過ちを招くだけ
  
この窮状 救いたいよ 
声に集め歌おう
我が窮状 守れないなら 
真の平和ありえない
     
この窮状 救えるのは
静かに通る言葉
我が窮状 守りきりたい 
許し合い 信じよう


今からさかのぼること3年…彼は新聞のインタビューで、こんなことを語っている。

還暦の前のあたりから『言いたいことを言わなきゃ』と思うようになった。
『60歳越えたら余生、死ぬ準備をしているようなもの。』だから。
アイドル時代は『表現の自由』がなかった。
華麗なジュリー、セクシーなジュリーに似合わないことは言えなかった。
芸能界で今“言いたいこと”を堂々と歌える歌手は多くない。
様々なしがらみが、様々な形でつきまとうから。
僕も『テレビに出られなくなるよ』と言われたことがある。
それでいい。
18歳でこの世界に入り、いつまでもアイドルじゃないだろ。
昔はジュリー、今はジジイ(笑)
太ったっていいじゃない(笑)
好きな事を、コツコツとやっていこうと思っている。
昔の名前を利用しながら…ね(笑)

[2012年5月4日付朝日新聞より抜粋]


彼はザ・タイガースでデビューした19歳から現在に至るまでの約50年間、毎年欠かすことなくレコーディングし、作品を発表し、ツアーを行ってきた。
この実績は、日本はおろか海外でも類を見ない偉業といえるだろう。
還暦を過ぎて“言いたいこと”を歌うスタイルをより濃く打ち出しながら現在もコンサートを中心とした活動を続けている。
また、ここ数年は『自分はテレビに出られない(正確には出ない)』という理由でNHK紅白歌合戦からの(過去のヒット曲での)出演オファーを何度も断っているという。
彼はナツメロを唄う“昔の歌手”ではなく、現役のアーティストである。
彼のコンサートの当日券売り場に行列ができることはないという。
それは何を意味するのか?
そのほとんどの公演で約7,000円のチケットが完売するのだ。
彼は日本で初めて野球場で唄った男だ。
そして日本で初めて武道館単独公演を成功させた男でもある。
日本で初めてテレビ局が用意した楽団の伴奏ではなく、自分のバンド持ち込んでパフォーマンスしたのも彼だ。
日本人として初めてフランスのチャートで上位にランクインした男としても知られている。
還暦にして東京ドーム&京セラドーム大阪を埋め尽くしたファンを前に、約6時間半にも及ぶステージで80曲を歌いきったアーティストは彼の他にいないだろう。

「僕は夢を見ない、なぜなら16歳の頃からずっと憧れていた夢の世界に今もいるから。」


【沢田研二オフィシャルサイト】
http://www.co-colo.com

沢田研二『ROCK’N ROLL MARCH』

沢田研二『ROCK’N ROLL MARCH』

(2008/ココロ・コーポレーション)


Pocket
LINEで送る

スポンサーリンク

関連アーティスト

関連するコラム

[TAP the NEWS]の最新コラム

このコラムへの感想・コメントを書く

Pagetop ↑