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音故知新②〜ブルースってどんな音楽?

2021.12.27

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ブルースのルーツをさかのぼると、古くは西アフリカ、そして17世紀から19世紀の間にアメリカ大陸に連行された黒人奴隷の歴史に辿り着く。
現在、我々が耳にしているほとんどのロック系サウンドには「ブルースの血が流れている」と言っても過言ではないだろう。
では、そのブルースとは一体どんな音楽なのだろう?
多くの文献では、それを「アフリカ音楽を起源とするもので、アメリカ南部の黒人達が辛い労働環境や境遇を背景に生みだした音楽」とされている。
当時、奴隷として連れてこられた彼らのほとんどがガンビア、セネガル、ナイジェリア、ガーナなど、西アフリカの海岸地域の出身だった。
もともとこの地域では、GRIOT(グリオ)と呼ばれる世襲制の音楽家が存在し、彼らが口承(口伝えで音楽を演奏・伝承)してきた音楽こそが“ブルースのルーツ”と言われている。



太古よりアフリカでは「音」と「言語」が密接に結びついており、かつては打楽器をコミュニケーションの手段として使っていた。
そこに「音調」や「音色」が加わって進化していったものが、ブルースの演奏技巧に受け継がれている。
もともとバンジョーはアフリカから持ち込まれた弦楽器であり(ウォロフ族の間でバンジョールと呼ばれていた楽器)初期のブルースのギター伴奏スタイルと西アフリカのバンジョーを指で弾くスタイルはよく似ている。
西洋の音階で言う三度の音、すなわち「ド」に対する「ミ」が、クラシック音楽の感覚で正しいとされる音程よりフラットになるブルーノートスケール(ブルース特有の音階)は、黒人がアフリカ音楽から持ち込んだ要素である。
また、当時のアメリカにおいて奴隷達はドラムやラッパの使用を禁じられたという。
それは、反乱を煽るために使われるのではないかと奴隷主たちが恐れたからだった。

E1

では、ブルースが発祥した場所はどこなのだろう?
いくつかの説がある中、ミシシッピ川とヤズー川に挟まれたこの地帯にあったアメリカで最初の綿農園ドッケリーファームが“ブルース生誕の地”とされている。
農作業の際に歌われた「ワークソング」または「フィールドハラー」と呼ばれる労働歌がブルースの原型ということは広く知られている。
それらは、過酷な労働をほんの少し我慢しやすくしてくれただけだったが、コール&レスポンス(呼びかけ応答)と呼ばれる歌詞を繰り返す手法は、やがてブルースに受け継がれることとなる。
農園の監督官に面と向かって話せない内容を表すために、いわゆる暗号・隠喩のような表現が使われたのだ。
「ブルース=憂歌」と表されることが多いがが、必ずしもすべてが悲しく憂鬱な内容ではなく、陽気で愉快な歌もあるのだ。
失恋や求愛を歌う個人的な内容から伝統的なものまであり、ダンスや酒を楽しんだりするための音楽でもあった。

ロバート・ジョンソン
マディ・ウォーターズ
アルバート・キング
ウィリー・ディクスン
サニー・ボーイ・ウィリアムスン
サン・ハウス
ジェイムス・コットン
ジミー・リード
ジョン・リー・フッカー
ハウリン・ウルフ
B.B.キング
ミシシッピー・ジョン・ハート
メンフィス・ミニーなどなど

デルタ地域の小さなジュークジョイント(黒人の大衆酒場)から生まれた歴史的なブルースマン&ブルースウーマンたちの多くは、それまで黒人達が強いられてきた生活(労働環境)から逃れようとして、メンフィス周辺を経由してシカゴやセントルイス、そしてデトロイトやニューヨークなど北部の都市に移動していったのだ。


──20世紀に入り、レコードやラジオという新しいメディアが急速に発展してゆく。
1920年頃には、都会から南部の山奥に至るまで、こうした文明の利器が広まっていたという。
メディアの発展によりメジャーレコード会社がブルースを扱うようになったのは、全米各地で盛んになりはじめていたWBSやWSMなどの地方ラジオ局が黒人向け音楽を頻繁に流し、高い人気を得ていたのが理由だった。
そして1920年8月10日、メイミー・スミスという黒人女性歌手が「Crazy Blues」を含む数曲をレコーディングする。
これは音楽史上初めてのブルースの録音となっただけでなく、歴史上初めて黒人女性の声がレコード化された記念すべき一枚となった。
このレコードは、発売から1年以内に販売枚数100万枚を超えるという(当時としては)驚異的なセールスを記録する。


それは“世界初のブルースのレコード”としてだけでなく、社会に大きな影響を与えることとなった。
人種差別や女性軽視がまだ当然のように存在していた当時、芸術や文化は黒人達が自分達の存在とその意義を社会に訴える有効な手段となった。
そして「成功する」ということは「黒人が白人より劣った人種ではない」ということを証明する意味を持っていたのだ。
黒人であり女性であるメイミーの成功は、ベッシー・スミスを代表とする女性ブルースの黄金時代を築き、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンなど、次世代の女性エンターテイナーが活躍する下地を作ることとなる。
この流れは、元奴隷やその子孫が結集して住んだニューヨークのハーレムを中心に起こった “ハーレムルネサンス”の勢いに拍車をかけたとも言われている。
アメリカ史上において初めて黒人文化が花開いたハーレムは新しいカルチャーの発信地となり、それまで白人を対称にしていた「文化」という存在に、大きな革命を起こす。
教育や仕事、公衆トイレやバスの席順にいたるまで、あらゆることで黒人達を虐げてきた人種差別は、彼らの未来から「希望」という言葉を奪い去るものだった。
このブルースミュージックのレコード化は、1950年代に始まる公民権運動やブラックパワームーブメントにも大きな影響を与えるようになってゆく……







こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。







『山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR “ちょっと長い関係の歌旅2022”】


1月15日(土)八幡DELSOL café
1月22日(土)福岡ROCK食堂(昼公演)
1月22日(土)福岡ROCK食堂2階Honey Bee(夜公演)
1月23日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis 
1月28日(金)東広島pasta amare 
1月29日(土)大阪 新世界ヤンチャーズ
1月30日(日)和歌山OLD TIME
2月5日(土)久留米 農と音2号店 
2月6日(日)佐賀 雷神 
2月18日(金)横浜THUMBS UP
2月19日(土)静岡・御前崎Cook House椿
2月20日(日)名古屋ROLLINGMAN
2月22日(火)金沢JealousGuy
2月23日(水・祝)新潟Mush
3月4日(金)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’ 614
3月5日(土)沖縄・那覇Drunk CINDERELLA
3月6日(日)沖縄・宮古島 雅歌小屋
3月19日(土)下北沢ニュー風知空知
3月20日(日)茨城・水戸Jazz Bar Bluemoods
3月21日(月・祝)埼玉・所沢MOJO
3月25日(金)広島LIVE café Jive
3月26日(土)岡山Desperado
3月27日(日)徳島Music Bar Ricky
4月15日(金)小郡ジラソーレ
4月16日(土)熊本八代7th chord 
4月17日(日)大牟田 陽炎
4月21日(木)仙台HIGHBURY
4月22日(金)福島Harvest
4月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
4月24日(日)秋田・湯沢BASEMENT
4月30日(土)福岡Bassic.(ライブ&スペシャルスライドショー)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12713121312.html






【歌ものがたり2022春〜雨ニモマケズ風ニモマケズ】


1月16日(日)長崎・思案橋ブラックリスト
2月8日(火)福岡・大牟田キャラクターBAR(調整中)
2月12日(土)東京・高円寺MOONSTOMP   
2月13日(土)埼玉・川越 大黒屋食堂  
2月26日(土)福岡・薬院 遊来友楽 
2月27日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
3月12日(土)群馬・前橋 呑竜横丁  ※詳細未定
4月2日(土)兵庫・宝塚 ※会場・詳細未定
4月3日(日)京都・四条大宮高辻 夜想 ※詳細未定
4月9日(土)茨城・古河LIVESTATION ”L” ※詳細未定

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12714724886.html





佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
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音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。


音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
sasa@barubora.jp
090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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