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時の歌、民の声〜シンガーソングライターの元祖

2014.04.13

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古代ケルト社会において「詩人」は王に次ぐほどの高い地位を持っていた。
アイルランドに住むケルト人を「ゲール人」と呼び、彼等が話す言葉を「ゲール語」という。それは今もアイルランドの西部で使われている言語である。
紀元前2 世紀から3世紀にアイルランドへ渡ってきたゲール人達は文字を持たなかった。霊的な指導者ドルイド僧が文字の使用を禁止し、口承の教えを説いたと言われている。

そんな社会の中で、特別な存在として扱われたのが「詩人」だった。
彼等は、民族の歴史や物語をあちこちに伝え歩いた。
学問などを暗唱しやすいように“韻”を踏ませた「詩」の形にする権限を持っていた彼等は、学者、医者、法律家、僧侶の役目も兼任していたという。
また言葉に魂が宿るとされ、詩人たちは魔術など神秘的な力を持つ存在としても崇められていた。
地域を治める王に助言する“政治の参謀者”でもあった彼等は、実質的な指導者だった。
智恵を持つ者が尊ばれるのは“この時代”からで、「詩」はケルトの伝統的な文化となった。

やがて「詩」は宮廷から町や田舎にも広がって、吟遊詩人が生まれる。
彼等は「バード(Bard)」と呼ばれ、町から町へ、村から村へと旅をし、遠い昔にあった悲惨な戦争の話や、有名な騎士と姫との恋物語などを「詩」に綴り、音楽にのせて伝え歩いた。
当時、それらの歌が新聞やTVのワイドショーのような役割を果たしていたという。
そして彼等「バード(Bard)」こそが、現代における“シンガーソングライター”の元祖と言われている。
アイルランドには今も存在し、夕暮れ時のパブに現れては「詩」を朗読し、民衆と共に歌ったりしているという。





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THE TIMERS『ザ・タイマーズ』
(1989/東芝EMI)

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