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コーヒーの歌〜清志郎とチャボ、珈琲色の思い出〜

2014.04.27

♪『Cigarettes and Coffee(煙草とコーヒー)』/オーティス・レディング


1970年代の終わり頃、忌野清志郎率いるRCサクセションは「フォークグループ」から「ロックバンド」へと変貌を遂げようとしていた。その頃、古井戸を解散させたばかりの仲井戸“CHABO”麗市がギタリストとしてRCに参加する。
それから約30年後の2009年10月11日、チャボは特別な想いを胸に…たった独りでSHIBUYA-AXのステージに立っていた。
そして、オーティス・レディングの「Cigarettes and Coffee(煙草とコーヒー)」を会場に流しながら…こんな日記(1995年に書いたエッセイ)を朗読した。

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写真/三浦麻旅子

僕はその日初めて、国立にある忌野清志郎の実家を尋ねて行くことになった。
そんなに暑すぎず、寒過ぎずの季節であったような印象が残っている。
渋谷の『青い森』で出会い、気が合い、仲良くなって、すぐに彼が僕の新宿のアパートを訪れるようになり、そして今度は僕が彼の家に招待されたんだろう。
駅の北口の改札辺りで待ち合わせをした。
清志郎は自転車で迎えに来てくれていて、僕を後部座席に座らせ、客人をもてなすべく、そよ風の中を家まで運んでくれた。

「やぁ、よく来たね」
「おぉ、ちょっと電車、遅れちゃてさぁ」

などと、何だかお互いに少し照れたりしていたかもしれない。
彼の家は、とても静かな住宅地にあった。
彼の部屋は、玄関を上がったすぐ右側にあり、その日、その部屋で僕等は、ぼんやり、でもたっぷりとホットな時間を過ごしたのであった。
彼がコーヒー・サイフォンを持ち出してきて、コーヒー豆を挽き、本格的にコーヒーを入れてくれたのには驚いた。
僕なんかコーヒーはインスタントに決まってたし、なんだかその時彼がちょっと大人っぽく見えたりした。
美味いコーヒーを飲みながら、とりとめのない話しをしたんだと思う。
確かにその時、曲を一緒に作ろうとしたことは明確に憶えている。

「こんな曲を作ろうぜ!」
「ここはこういう事を歌い込んで!」
「サビはこんな内容にしようぜ!」

などということを話し合ったのだ。
とても“特別な一日”を仲良しの友達と過ごして、僕は中央線に揺られて帰っていったのだった。

<『I STAND ALONE』/仲井戸麗市〜コーヒー・サイフォン(’95)より>


この日、二人が共作した楽曲は「コーヒー・サイフォン」と題され、古井戸のサードアルバム『ぽえじー』(1973年)に収録された。

コーヒー・サイフォン
僕らの部屋は すてきな香りで満たされた
電車が遅れて僕は君を待たせてしまった
いい歌だね「煙草とコーヒー」

コーヒー・サイフォン
みんな行ってしまうね
僕らは何処へ行けばいいの…


ステージ上で朗読を終えたチャボは…初期RCの名曲「ぼくの自転車のうしろに乗りなよ」のイントロを弾き始める。
出会ったばかりの彼等は、こんな時間を過ごしていたのだ。
それはチャボがRCに加入するずっと前(1970年代初頭)の出来事だった。
後に、この二人のコンビは“日本を代表するロックアイコン”となってゆく。

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写真/おおくぼひさこ

♪「ぼくの自転車のうしろに乗りなよ」/初期のRCサクセション



CHABO CD_H1e
仲井戸麗市
『I STAND ALONE』(CD)
(2010/EMIミュージック・ジャパン)

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仲井戸麗市
『I STAND ALONE』(DVD)
(2010/EMIミュージック・ジャパン)

RCサクセションの名曲たちと共に、盟友・清志郎に捧げたオリジナル曲を仲井戸麗市が“一人きり”で歌った壮絶ライブを完全収録したCD&DVD! 世界中でCHABOだけが知る清志郎との特別なエピソードの紹介を織り交ぜたステージは圧巻のひと言。鎮魂と追悼のための永遠のブルースがここに!

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忌野清志郎『ネズミに捧ぐ詩』
(2014/KADOKAWA)

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