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11月のナンバーワンアルバム③〜フリートウッド・マック/テイラー・スウィフトほか

2017.11.08

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「TAP the COLOR」連載第219回〜WHITE〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。11月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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フリートウッド・マック『Rumours』(1977)
ピーター・グリーンを看板とした1960年代のホワイト・ブルースバンドから、低迷期を経て、イギリス人とアメリカ人男女混成グループ/3人のシンガーソングライター体制としての転身は余りにも鮮やかだった。本作はそんなグループの最高傑作にして驚異的なヒット作(31週1位)。全米だけで約2000万枚をセールス。マクヴィー夫妻、リンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスのカップルそれぞれの愛の終わりの渦中に制作。この作品を「音楽的なソープオペラ」と語ったリンジー。ゆえに緊張感や喪失感漂う名作。なお、当初はスティーヴィーの名曲「Silver Springs」が収録される予定だったが、収録時間の都合でカットされてしまった。
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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン『The Battle of Los Angeles』(1999)
文字通り、前作『Evil Empire』よりも緊張感とバトル感を増したレイジの傑作(1週1位)。トム・モレロのギターはもはや楽器を超えた闘いの道具と化し、ザックの歌が街頭スピーチのように響き渡る。当時タワレコのPOPには「あのヒロスエも聴いている!」と書かれていたのが懐かしい。冒頭から「Testify」「Guerrilla Radio」「Calm Like a Bomb」の怒涛の3連発。凄すぎる。

テイラー・スウィフト『1989』(2014)
間もなく2017年11月10日に新作をリリースするテイラー。前作『1989』は2014年10月27日にリリースされたにも関わらず、その年発売されたすべてのアルバムの中で最大のセールスを記録。トータルで11週間もチャートのトップに留まって、世界で1000万枚以上という、アルバム不況と言われる音楽シーンにおいて奇跡を起こした。大ヒットしたシングル「Shake It Off」「Blank Space」などを収録。カントリーのアイドルからポップスターへの転身。ソーシャルメディアを駆使してファンとつながり、ミュージシャンとしてだけでなくファッションアイコンとしても多大な影響力を持つ。11歳の時からデモを吹き込み、14歳でソングライターとして契約、17歳でデビュー。意志の強いプロフェッショナルだ。
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テイラー・スウィフト〜カントリー音楽を愛するソーシャル時代のポップスター

シュガーランド『The Incredible Machine』(2010)
カントリー界のスーパースター、クリスチャン・ブッシュとジェニファー・ネトルズのデュオであるシュガーランド。ポップチャートでも本作(1週1位)を含めて3枚のナンバーワン・ヒットを持つ。特にどこまでも高まり伸びていくようなジェニファーの魅力的な声は特筆すべき。現在、彼女はソロとして活動。こちらも大きな成功を収めている。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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