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スリー・ドッグ・ナイトの「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」が日本で発売された日

2021.12.01

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1971年(昭和46年)12月1日、スリー・ドッグ・ナイトの「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」(東芝音工)が日本で発売された。同年の洋楽/邦楽ヒットソングといえば…

【洋楽】
1位「Joy To The World 」/ スリー・ドッグ・ナイト
2位「Maggie May」/ロッド・スチュワート
3位「It’s Too Late」/キャロル・キング

【邦楽】
1位「わたしの城下町」/小柳ルミ子
2位「知床旅情」/加藤登紀子
3位「また逢う日まで」/尾崎紀世彦

NHK総合テレビが全番組カラー化を実施し、『仮面ライダー』の放映がスタート、第48代横綱・大鵬が引退表明し、マクドナルド日本第1号店が銀座にオープン、そしてアポロ14号の月着陸に世界中が湧いた年でもある。



この歌の作詞作曲を手がけたポール・ウィリアムズといえば、現在の米国作曲家作詞家出版者協会会長(2010年〜)でもあり、アメリカのポップス史を語る上で忘れてはならないコンポーザーである。カーペンターズによって歌われた「雨の日と月曜日」「愛のプレリュード」「あなたの影になりたい」といったロジャー・ニコルスとの共作曲は、まさに”珠玉の名曲” と言えるだろう。

この「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」も、カーペンターズのために書かれた楽曲だったという。1970年代初頭、ポール・ウィリアムズはラブソングを中心にヒットを飛ばしていたカーペンターズのためにこの曲を書いたが、リチャード・カーペンターに断られてしまう。

しかし、そこでめげることなく、当時「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド(喜びの世界)」の大ヒットでノリにノっていたスリー・ドッグ・ナイトに本作品を提供する。1971年9月30日、スリー・ドッグ・ナイトが発表した5thアルバム『Harmony』に収録された。

スリー・ドッグ・ナイトは、ダニー・ハットン、チャック・ネグロン、コリー・ウェルズの3人を中心としたヴォーカルトリオで、グループのメンバーは総勢7人。ヴォーカルの3人の他、ギター、ベース、ドラム、キーボードを担当するメンバーで構成されていた。

歌詞のサビで歌われている“Three Part Harmony”という部分を読むと、ポール・ウィリアムズは最初からカレンではく、スリー・ドッグ・ナイトに歌わせようとして書いたのではないか?と(勝手な)推測をしてしまう。

同曲は11月にアメリカでシングルカットされ、12月18日から1972年1月1日にかけてビルボードHot 100で3週連続4位を記録した。ビルボードのイージーリスニングチャートにおいては1位を記録し、ゴールドディスクに輝いている。ポール・ウィリアムズ本人が歌ったバージョンは、ソロ名義による3rdアルバム『Just an Old Fashioned Love Song』(1971年)に収録。


60年代に俳優として活動していたポール・ウィリアムズが、ソロシンガーとしてデビューしたのは1970年のことだった。70年代といえば“シンガーソングライター”が活躍した時代。

ジェイムズ・テイラー、エルトン・ジョン、キャロル・キング、ギルバート・オサリバン、ビリー・ジョエル、ジョン・デンバー、ブルース・スプリングスティーンなどが次々と才能を開花させていく。

ジャズ、ブルース、カントリーミュージック、ロックンロール、R&B…脈々と続くミュージックシーンにおいて、70年代は最も音楽的に洗練され“豊作”の10年だったのかもしれない。60年代のアーティストはビートルズやストーンズでさえ、ブルースやR&Bのカバーを多く取り上げていたのだが、だんだんと身近な出来事や日常生活を歌にすることが主流になっていく。

そんな過渡期とも言える1968年にデビューしたスリー・ドッグ・ナイトは、自作の曲でなくあえてカヴァー曲を中心とした“時代の逆行する”スタイルで成功した面白いグループだった。

カーペンターズでの実績があったポール・ウィリアムズなど、実力のあるソングライター達の曲を取り上げた彼らは、次々とヒットを生み出していった。そのおかげでいくつかの“埋もれていた才能”にスポットライトが当たったことは、ポピュラー音楽界にとって素晴らしいことだったと言えるだろう。

<引用元・参考文献『新版ロックスーパースターの軌跡』北中正和(音楽出版社)>
<引用元・参考文献『世界のポピュラー音楽史』山室紘一(ヤマハミュージックメディア)>

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