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ベニー・グッドマンを偲んで〜黒人と白人を同じバンドで演奏させたスウィングジャズの立役者〜

2026.06.12

1986年6月13日に“スウィングの王様”と呼ばれた男が、心臓発作によりニューヨークの自宅で静かに息を引き取った。享年77。彼の名はベニー・グッドマン。

1935年から1940年代半ばにかけての約10年間、アメリカの大衆を熱狂させたスウィングジャズのムーブメントを牽引した人物である。29歳にして「クラシック音楽の殿堂」と称されてきた名門カーネギーホールで、初のジャズコンサートを行った伝説のジャズメンとしても広く知られている。

1930年代当時のアメリカでは、ジムクロウ法による人種隔離政策をとる南部ではもちろん、ニューヨークなどの北部でも、白人と黒人が同じバンドで演奏をすることはなかった。

縫製職人の家の九男としてシカゴに生まれ、貧しいロシア系ユダヤ移民の家庭で育ったベニー・グッドマンは、それまでの人種差別が“当たり前”とされてきたアメリカの悪しき習慣を打ち破り、黒人のドラマーやギタリストを採用して自分のバンドで一緒に演奏した。

それは野球のメジャーリーグに初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンが登場する10年以上も前のことで、彼の勇気ある行動と演奏ポリシーは実に画期的なものだった。

スウィングジャズには、二人の立役者がいたと言われている。一人はクラリネット奏者でありビッグバンドを率いたベニー・グッドマン。もう一人はトランペッターでありヴォーカリスト、そして作曲家として活躍したルイ・プリマである。

ベニー・グッドマンの代表曲としても知られるスウィングジャズの名曲「Sing, Sing, Sing」は、このルイ・プリマの手によって書かれた楽曲なのだ。
ルイ・プリマがスウィングジャズを世に知らしめた人なら、ベニー・グッドマンはそれを完成させた人物と言えるだろう。ベニー・グッドマンはジャズの即興性と、計算された音の組み立てを同時に追求し、それを見事にまとめあげてみせた。

大衆が求めている“楽しさ・わかりやすさ”を盛り込んだアレンジは、実に洗練されたものだった。スウィングジャズ──そのゴージャスかつスマートな音楽は、アメリカの大恐慌時代から立ち直る時期や、終戦後の戦勝気分の人々の高揚感とシンクロしていたと言われている。

10歳のときクラリネットを手にして以来、常に新しいサウンドを求めて挑戦し続けた。1938年にカーネギーホールで史上初のジャズコンサートを開くまでの半生を映画化した『ベニー・グッドマン物語』(1956年公開)では、その“音楽愛”に満ちた人生がドラマティックに描かれている。
『ベニー・グッドマン物語』DVD

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(2012/ジェネオン・ユニバーサル)



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