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季節(いま)の歌

さくらの歌〜日本人が大好きな“桜ソング”にまつわるエトセトラ

2022.03.31

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さくら(独唱)/森山直太朗


今年も各地で桜の開花が発表され🌸いよいよ春本番ですね!
東京では3月末〜4月初旬にかけて見頃を迎えるところが多く、桜の名所はどこも花見客で賑わいを見せることだろう。
春の息吹を感じその到来が近づくにつれ、思わず口ずさんでしまう歌がある人も少なくないはず。
J-POPシーンにおいて“桜ソング”というジャンルが定着したのはいつ頃からなのだろう?
なぜこれほどまでに日本人の琴線に触れるのか?
この季節になると、テレビやラジオ番組などさまざまなメディアを通して「桜」をテーマとした楽曲がフィーチャーされる。
昔から「桜」を歌った曲は多数あったはずだが、歌謡曲のジャンルとして“桜ソング”が広く世間に定着しはじめたのは、今から十数年前のことだという。
そのイメージを決定づけた歌が、2000年4月にリリースされた福山雅治の「桜坂」だった。
同作は、この年の年間シングル売上ランキング2位となる228万枚以上を売上げ(オリコン調べ)、以降、毎年のように桜にまつわる楽曲が発表されるようになった。
2000年代中盤にかけて、森山直太朗の「さくら(独唱)」(2003年3月発売)やケツメイシの「さくら」(2005年2月発売)、コブクロの「桜」(2005年11月発売)など、いまや王道となった上質な桜ソングが次々と誕生し、軒並み好セールスを記録。
“桜ソング”自体のブランド感もより高まり、その後も多くのアーティストが同様のテーマで楽曲を発表した。
例えば、いきものがかりが「SAKURA」(2006年3月発売)でメジャーデビューを鮮烈に飾ったり、アイドルグループなどが毎春“桜ソング”のリリースを恒例としている。

「桜」が日本人の心を掴んでやまないのは、なんといっても開花から散り際、昼間と夜、その一瞬一瞬を楽しませてくれる“刹那的な美しさ”があるからだろう。
この花が脚光を浴びはじめたのは…さかのぼること平安時代。
『古今和歌集』や『源氏物語』といった書物の中に度々登場したり、俳句などの季語としても馴染みが深かったりと、その美しさは時代を超えて人々を魅了し、眺める者の感性を刺激してきた。
親しみという点では、日本の紙幣や硬貨のデザインとして使用されていることからもわかるだろう。
そして「桜」を愛でる習慣があるのは、今や日本だけに限ったことではないという。
米国・ワシントン、オランダ、ロンドン、韓国、台湾などの諸外国でも多数の桜が植樹され、シーズンには息をのむ美しさを誇っているらしい。
いずれ海の向こうでも“桜ソング”が定着する日が来るかもしれない。



さくら(合唱)/森山直太朗



──それは2003年の春から初夏にかけて起きた出来事だった。
森山直太朗がブレイクするきっかけとなった2ndシングル「さくら」が3月5日にリリースされた。
元々この「さくら」は、彼のデビューミニアルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』に、バンドアレンジとして収録されていたものをピアノ独唱バージョンとしてシングルカットされたものであった。
初回プレスが約1200枚だったのに対し、売上累計では120万枚を超えるミリオンセラーとなり、森山直太朗にとっても最大のヒット曲となった。
オリコンチャート初登場の段階では80位。
その後徐々に順位を上げていき、登場5週目でTOP10入り、登場9週目にして首位を獲得した。
発売から9週以上かかっての首位獲得は男性ソロアーティストとしてはKANの「愛は勝つ」(16週目)以来、13年ぶりのことだった。
シングルCDのリリース時に、このバージョンとは別に“合唱”が収録されていたため、区別を明確にするため「さくら(独唱)」とトラック名がつけられた。



【森山直太朗 オフィシャルサイト】
http://naotaro.com

森山直太朗『さくら』

森山直太朗『さくら』

(2003/ユニバーサルJ)



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