イエイ!夏だぜ!お天道様はカンカン照り!
思いっきり手を伸ばせば空に届きそうだぜ!
あんまり天気がいいから
お前さんにも彼女ができたぜ!心の中にな!
一杯飲んでドライブして何が見つかるか探しに行こうぜ!
「In the Summertime」という歌をご存知だろうか?
この理由(わけ)もなく小躍りしたくなるようなお気楽で能天気なリズムとメロディー。
いつの時代に誰が歌ったのか知らないが「いつかどこかで耳にしたことがあるような…」と感じる人も多いのではないだろうか?
これはマンゴ・ジェリーというイギリスのスキッフルバンドのデビュー曲として1970年の夏にリリースされ、イギリスでは7週連続でチャートの首位をマークし、アメリカや日本でも3位まで駆け上った流行歌なのだ。
まず“Skiffle(スキッフル)”とは一体どんな音楽なのだろう?
これには諸説あるのだが…音楽のジャンルというよりバンド構成を表す用語なのだという。
元々は20世紀前半のアメリカで生まれたものらしいが、1950年代にイギリスで流行したことによって“一つのスタイル”として確立される。
それはアメリカの古き良き時代の音楽、ジャズ、ブルース、フォーク、R&B、カントリーミュージックを現代(1950年代当時)に甦らせるきっかけとなり、多くのイギリスのロックミュージシャンたちに影響をあたえたと言われている。
このスキッフルバンドのルーツをさかのぼれば“Jug(ジャグ)”という古い音楽に辿り着く。
では“Jug(ジャグ)”とは一体何を表す言葉なのだろう?
ジャグとはもともと取っ手付きの瓶(水差し)のことで、これを吹いてベースやチューバの代用品にしていたころから、その楽器を使用するバンドが“ジャグバンド”と呼ばれるようになったという。
その空き瓶楽器に加えて、洗濯板を使ったパーカション、洗濯桶を使ったベース、そしてカズーやバンジョー、フィドルなどの弦楽器でバンドが編成されていた。
それは開拓時代のアメリカで、身近にある生活用品を使うことから生まれたアメリカンミュージックの原点だったとも言われている。
天気が良けりゃ海に釣りにもいくし泳ぎにも行くさ
俺たちゃいつでもハッピーさ!
人生はなるようになる
イエイ!それが俺たちの哲学さ!
日本の江戸時代末期に民衆が仮装するなどして集団で町々を巡って熱狂的に踊ったあの“ええじゃないか騒動”なんかを思い浮かべずにはいられない陽気な歌詞の内容と、能天気なリズムとメロディーが何とも魅力的な夏の一曲だ。
<引用元・参考文献『ロック&ポップス名曲徹底ガイド③』音楽出版社>
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