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二人の友情〜ジョン・レノンの名盤『Rock ’n’Roll』の選曲にミック・ジャガーも関わっていた!?

2022.12.08

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1960年代、イギリスで誕生したビートルズとローリングストーングは人気を二分しながらもよきライバル関係でもあった。
ミック・ジャガーはジョン・レノンと初めて会った時に、とても謙虚さを感じたことを憶えているという。

「1963年、俺達はまだレコードを作る前で、何者でもなかった。当時、彼らはすでに超大物だった。ミュージシャンというだけじゃなく、まるでアイドルのようでね。確か革のコートを着てたよ。そう、俺達にはまだ買えなかった革のコートをね。」


その年の出来事だった。
結成してまだ間もないローリングストーンズがリッチモンドのクラブでR&Bやブルース、そしてチャック・ベリーの楽曲を中心に演奏していたある夜に(革のトレンチコートを着た)ビートルズのメンバーが突然現れて観客の傍らに立っていたという。
ミックはステージ上で彼らの存在に気がついてはいたものの、目を合わせることはしなかった。
ステージ後に、関係者から互いのメンバーを紹介される。
ミックはジョンと初めて交わした言葉を憶えていた。

ミック

「君がハーモニカを吹いているんだよね?」


ジョン

「いや、僕は君らのようには吹けないよ。吸って吹くだけ。僕達はブルースはたいしてできないんだ。」


それが初めて出会いだった。
以降、ビートルズはストーンズの演奏を聴きにやってきたという。
とくにジョンは他のメンバーよりも頻繁に現れた。
ストーンズも人気者になり始め、少しずつ距離を近めていく両バンド。



ある夜、ジョージ・ハリスンがミックに向かってビートルズがストーンズよりいかに多くのレコードを売っているか熱弁をふるった。
ミックはその時のことを鮮明に憶えていた。

「確かにそれは疑いようのない事実だったよ。ジョージはとてもそのことを強調したがっていたんだ。」


その時、ジョージの隣りにいたジョンがミックにこんな一言をかけてきたという。

「ジョージのことは気にすんなよ。こいつレコードが売れていることがまだ嬉しくてしかたないんだ。」


ミックはこのことをきっかけにジョンに好意を抱くようになった。

「俺はジョンが大好きだったよ。ビートルズのメンバーの中で一番気の合った男だった。大の親友ってわけじゃないけど、いつもフレンドリーだったよ。でもビートルズもストーンズもクラブで演奏をするのをやめると、お互いにあまり合わなくなったんだ。」


以降は、両者共にツアーやレコーディングに追われる日々となる。
当時、ブライアン・ジョーンズがビートルズに対してライバル意識が強く、何かというと競い合う関係となっていった。

時は流れ…ブライアンがこの世を去り、ビートルズも解散し、ジョンが最初にオノ・ヨーコと別居しはじめるまでは、ミックとジョンはあまり会わなかったという。
そして1974年以降、二人はこれまで以上に親しくなった。
たいていはニューヨークやロング・アイランドのモントークの別荘で会った。

「モントークではジョンは俺のところに泊まった。愉快な時間を過ごしたものさ。ひどく酔っぱらってヨットの上でギターを弾いたりね。」


「確かジョンがソロアルバム『Rock ‘n’ Roll』のレコーディングの準備をしていた頃で、ジョンが俺に何を選曲すべきか訊いてきたんだ。そこで二人でオールディーズの曲すべてに目を通して、彼が気に入ったものをチョイスしていったのを憶えているよ。」




この時期、ジョンはミックの曲「Too Many Cooks (Spoil the Soup)」をプロデュースする。
ファンの間では“幻の曲”と言われていたその歌は、長い時を経て2007年発表のミックのソロアルバム『The Very Best of Mick Jagger』に収録された。


その後、ジョンはヨーコのもとに戻ると1975年に誕生した次男・ショーンの子育てに専念にするため音楽活動を休止する。
ミックはジョンの近所に住んではいたのだが、ヨーコがミックのことを“悪影響”と考えたのか?再び二人は会わなくなった。

「一度か二度、彼らが暮していたダコタ訪ねたこともあるよ。“誰にも会いたくないのはわかるけど、もしも会いたくなったら電話をしてくれ”と書いたメモを残したんだけど…電話はなかったよ。」


<引用元・参考文献『メモリーズ・オブ・ジョン』/編者:オノ・ヨーコ/翻訳監修:斉藤早苗/翻訳:シクロス・サナエ(イースト・プレス)>




こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。



【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】

12月2日(金)大阪 大きな輪
12日3日(土)和歌山OLD TIME
12月4日(日)広島Jammin’ bar
12月10日(土)福岡NIKAI
12月11日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
12月13日(火)新宿UNDERGROUND Azzitto1224
12月22日(木)金沢JealousGuy
12月24日(土)福井・あわら市 専念寺

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html



【歌ものがたり2023 今夜すべての歌酒場で】

1月14日(土)長崎タンゲ食堂
1月15日(日)佐賀(唐津)DEN
1月20日(金)大牟田BAR LAST NUMBER
1月21日(土)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
1月22日(日)二日市COFFEE AND CIGARETTES
1月26日(木)福岡(警固)呑処 岡ひろ
1月28日(土)米子 海あに💋
1月29日(日)岡山Record BAR COZY
1月30日(月)兵庫IL grazie伊丹店
2月9日(木)名古屋 ROLLING MAN
2月10日(金)京都Bar USAGI
2月11日(土)浜松Esquerita68
2月12日(日)東海市 Funky LIVE Diner ダイナマイト
2月17日(金)佐賀 雷神💋
2月18日(土)福岡 Bar KINGBEE💋
2月19日(日)大分・宇佐 Michiyard cafe
3月10日(金)札幌 天狼星(ドッグスター)
3月11日(土)札幌 SALINAS💋
3月12日(日)埼玉(北浦和) パラダイスロード


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html






【THE HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2022 “Only 2Men-6Days”】

12月25日(日)名古屋 ROLLING MAN

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12748624898.html




【TWO HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2023 東京公演 】

1月7日(土)東京・ZINC Asakusa

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12768882625.html





【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Autumn/Winter 2022 Japan Tour】

11月26日(土)高円寺MOONSTOMP
12月17日(土)埼玉・所沢MOJO


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12751903088.html




【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Spring/Summer 2023 Japan Tour #1】


2月3日(金)富山・高岡GOOD FELLOWS
2月4日(土)金沢JealousGuy
2月5日(日)新潟 Live Bar Mush
2月23日(木・祝)広島NANA
2月24日(金)岡山Desperado
2月25日(土)米子 海あに
2月26日(日)松江MUSICA LIBERUM @Miz
3月4日(土)横浜Bar Brixton Market
3月5日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
3月16日(木)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’614
3月17日(金)沖縄・那覇 Output
3月18日(土)沖縄・伊江島 Bar’n ZERO
3月20日(月)福岡 Bar KING BEE
3月21日(火・祝)福岡 Bar KING BEE


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佐々木モトアキ
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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