スーパー・ジャンキー・モンキーの「WE’RE THE MOTHER」には、時代を超えて現在を撃つ根源的なメッセージが込められていた。
古さを感じさせない哲学的ライム、人間の極限に迫っていくような激しい演奏によるハードコアな世界、そこから見えてくる現実社会への真っ直ぐな問いかけ。
高橋睦と作詞家Tim Jensenの共作による歌詞は、21世紀の現在を先取りするものだった。
シャウトする高橋睦、トリップするかのように鳴り響くギター、それを支えているのは男性顔負けの強力なドラム、そして最年少のしのぶが変化自在のベースを弾く。
4人にしかできない究極の表現がそこにはあった。
だから1999年に高橋睦が28歳の若さで亡くなったことで、バンドの活動が完全に止まったのは当然のことだ。
バンドは解散もメンバーチェンジもなく、しばらくは止まったままに置かれた。
新しい動きが出たのは2009年のことで、3人が集まって11年ぶりにSJMのライヴが行われたのである。
現在はアメリカに住んでいるギターのKEIKOが、来日して参加したライブをこう振り返っている。
どんな感情が渦巻くのかと思ったけれど、ステージに立った途端にフーっと落ち着いた。
何年、何十年経とうが、このメンバーでステージに立つと、母親の子宮に戻ったが如く、
「何処よりも解けこめる場所」である事を再確認。ああ、帰ってきたんだな、という感覚。
睦のいないSJMの復活はないが、ずっと変わらない、変わる事のない永久不変なもの。
SJMは私の心の宇宙、宝物。そのパワーは永遠。
何年か後、娘が言葉が理解出来るようになったら、伝えよう。
Mommyにはこんな素晴らしい仲間、大切なもうひとつのファミリーがいるんだよって。
(Super Junky Monkey KEIKO)
ベースのかわいしのぶは現在、大友良英&「あまちゃん」スペシャルビッグバンドなどでも活動しているが、「かわいしのぶって誰?って聞かれたときには、SUPER JUNKY MONKEYのかわいしのぶ」と答えているそうだ。
10年ぶりにライブをやったことは自分にとっても衝撃で「そうか、こういうことだったんだ!」と改めて自分たちのやっていたことがわかったんです。
だから今こうしてライブができることによってSUPER JUNKY MONKEYが「過去のバンド」じゃなくなって欲しいという気持ちがあります。
メモリアルライブの成功によってスーパー・ジャンキー・モンキーは、翌年にはフジロックにも出演したが、それからまたしばらくライブが行われない状態が続いた。
しかし昨年デビュー20周年を迎えたことをきっかけに、2015年の12月25日に再びイベントを開催することが決まった。
そこに発表されたのが完全版の映像「We’re the Mother(私たちはこの世界の母親)」だ。
もともとは1999年2月に高橋睦が亡くなったあと、5月にリキッドルーム(新宿)で行われたトリビュート・イベントのライブなどが、音楽専門チャンネルで放送された時に制作された。
ミュージック・ビデオに日本語の対訳を乗せたが、時間の都合で前奏と間奏、後奏がカットされた作品だ。
リキッドルーム(恵比寿)で開かれるイベントに向けて、「一から作り直しちゃおうかな」と思いたったのは、映像ディレクターの吉野達哉。
アナログのベータカムの原版をもとにして、画の方にもモノクロ画面の追加、
スロー処理の追加、色味の修正、画質などの手を入れて完成させた。
音もデジタル原版から取り込み直し貼り直しました。 ちょっと自分好みにマスタリングさせていただきました。
MVの制作から20年を経て。放送から15年を経て。全尺版が、やっと日の目を見ました~。
ちなみに、これ、静岡は焼津の睦さんの実家近く、小川港で撮影。
埠頭に、でっかい船のエンジンが置いてあったのさ、 撮影場所、あ、ここ、ぜったい、ここ、って感じでした!
楽しい撮影だったな~~、きつかったけど。
しばらくして現場行ったら、きれいさっぱりエンジンが無かった。
きつねにつままれた、というか、睦につままれた、って感じでした。
(吉野達哉)
15年の歳月を経て完全版が正式に公開された「We’re the Mother(私たちはこの世界の母親)」は、すぐれた作品というものは、過去のものではなく”変わることのない永遠なるもの”だと思わせる。
この映像作品でスーパー・ジャンキー・モンキーもまた、”過去のバンド”ではないことが知られはじめていくことを期待したい。
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▼日時/2025年6月7日(土曜) 開場17時/開演18時
▼場所/横浜市開港記念会館講堂(ジャックの塔)
▼出演
浜田真理子 with Marino(サックス)
畠山美由紀 with 高木大丈夫(ギター)
奇妙礼太郎 with 近藤康平(ライブペインティング)
タブレット純(司会と歌)
佐藤利明(司会と構成)
▼「チケットぴあ」にて4月5日(土曜)午前10時より販売開始 *先着順・なくなり次第終了
SS席 9,500円 (1・2階最前列)
S席 8,000円
A席 6,500円
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