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憂歌団の「胸が痛い」は真っ直ぐな日本のブルース

2017.10.27

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憂歌団の「胸が痛い」は1989年に発売されたアルバム『BIG TOWN, SMALL HANDS』に収められていたもののほか、ヴァージョンを変えてリテイクされたシングルでも発売になった。

1970年に大阪で結成されたブルース・バンドの憂歌団にあって、「胸が痛い」はどちらかといえば新しいレパートリーに入るだろう。

「胸が痛い 胸が痛い」と繰り返されるサビは哀切きわまりない。
このうえもない真っ直ぐな日本のブルースとして、熱心なファンの間ではよく知られた楽曲だった。

作詞したのは関西弁の「悲しい色やねん」を上田正樹に書き下ろして、大ヒットさせた康珍化である。
彼は1988年10月21日に発売されたアルバム『BLUE’S憂歌団』でも、プロデューサーを務めていた。



木村充揮と内田勘太郎を中心とした憂歌団は、放送禁止になった「おそうじオバチャン」で1975年にトリオ・レコードからデビューし、すでに40年を超えるキャリアを持っている。

そして『天使のダミ声』との異名を持つ木村は、その歌い方から佇まいにいたるまで、存在そのものが唯一無比の大阪が生んだブルースマンである。

同じ高校の同級生だった二人は、生ギター2本でクリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」を弾いて歌っていたが、そのときは内田がヴォーカルだったという。
その頃のことについては、こちらのコラムに詳しく述べられている。

〈参照コラム〉”大ヒット間違いなし!”~憂歌団の日本語のブルースが始まった

時間をさかのぼって振り返ると、1996年10月から2001年3月まで続いた伝説の音楽バラエティ番組、フジテレビ系列の『LOVE LOVE あいしてる』でウルフルズが出演したとき、トータス松本がうたって評判になったことがあった。

そこでは憂歌団の内田勘太郎もゲストで共演し、名人芸とも呼ばれるブルースギターを披露していた。



最近では2013年に発売された昭和の名曲をカヴァーしたアルバム、泉谷しげるの『昭和のうたよ ありがとう』のなかで、夏木マリがデュエットしている。

また今年に入ってからはロックバンドBRAHMAN(ブラフマン)のヴォーカリスト、TOSHI-LOW(トシロウ )とギタリストのKOHKI(コーキ)に加えて、パーカッショニストの斎藤ノブ、そして憂歌団の内田によるアンプラグドの演奏がYOUTUBEに公開中だ。

この動画ではTOSHI-LOWもヴォーカルとともに、あざやかな内田のボトルネック奏法が堪能できる。


なお、現時点で公になったもっとも新しいカヴァーは、ロック・ユニットのGLIM SPANKYがBRAHMAN とコラボレーションしたもので、10月12日にNHKホールで開催された「The Covers’Fes.2017」で収録されたテイクが、同月の27日の夜にBSプレミアムでオンエアされた。



(C)Tsukasa Miyoshi (Showcase)

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