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ロックの殿堂入り2003〜ザ・クラッシュ/エルヴィス・コステロほか

2016.08.24

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「TAP the COLOR」連載第148回

1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、2003年のセレモニーではAC/DC、ザ・クラッシュ、エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ、ポリス、ライチャス・ブラザーズらが殿堂入りした。

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img_0 AC/DC『Black Ice』(2008)
認知症を患ったマルコム・ヤングの脱退、フィル・ラッドの騒動解雇、ブライアン・ジョンソンの離脱など、バンドの存続に陰りが見えてきた史上最強のハードロック・バンド、AC/DC。本作は1990年以降、5年単位でアルバムリリースしてきた彼らの、今度は実に8年ぶりとなった復活作。日本でもフリーペーパーに広告が入るなど、レコード会社が積極的なプロモーションを行った。ボン・スコット〜ブライアン・ジョンソンにつながる唯一無比のヴォーカル力とヤング兄弟の病みつきになるリフの魔力。AC/DCを聴くということは、一つの体験だ。


4e75466aa3473b78794c37e6d694efce ザ・クラッシュ『Sandinista!』(1980)
全36曲144分。当時は3枚組という大作としてリリースされたザ・クラッシュの熱い4枚目。前作『London Calling』が隙のない完璧な名作ということもあって本作は散漫な印象で評価がされることが多いが、ジョー・ストラマーとはまた違った魅力を持つミック・ジョーンズの「Hitsville UK」や「Somebody Got Murdered」もやはりザ・クラッシュ色気と体臭。聴くだけで胸が熱くなるバンドなんてそうはいない。


punchtheclock エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ『Punch the Clock』(1983)
ロックファンなら絶対に忘れてはならないコステロとアトラクションズの70〜80年代の作品群(アルバムにして8枚)。本作は実に80年代らしい、そして極上のブルーアイド・ソウル・ナンバー「Everyday I Write the Book」を収録した名盤の一つ。MTVブームと第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンの真っ只中、当時コステロを聴くということは、英国ポップの知的良心の体験だった。


Ghost_In_The_Machine_cover-1 ポリス『Ghost in the Machine』(1981)
短い活動期間の中で(再結成は除く)たった5枚のオリジナル・アルバムがあるだけのポリス。クラッシュ、コステロと同時期にパンク・ムーヴメント真っ盛りの英国でデビュー。レゲエを取り入れたナンバーで強い印象を歩み始めたバンドは、4枚目の本作で確固たる音楽性を確立。そして次作『Synchronicity』で世界の頂点へ。あの流れで6枚目が聴きたかったファンは何百万人いただろう。いつまでも色褪せ劣化しない奇跡的なバンドの一つだ。


【執筆者の紹介】
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