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6月のナンバーワンアルバム⑧〜ポーラ・アブドゥル/『シティ・オブ・エンジェル』ほか

2019.06.20

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「TAP the COLOR」連載第361回〜GOLD〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。6月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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サウンドトラック『City of Angels』(1998)
ニコラス・ケイジ、メグ・ライアン主演で大ヒットした大人のためのファンタジー・ロマンスのサントラ(3週1位)。グー・グー・ドールズの「Iris」や当時スターダムに上り詰めたばかりのアラニス・モリセットの新曲「Uninvited」をはじめ、U2やピーター・ガブリエル、ポーラ・コール、ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ジョン・リー・フッカーなどを収録。しかし、このサウンドトラックのハイライトはサラ・マクラクランの「Angel」だろう。
(詳しくはこちらで)
シティ・オブ・エンジェル〜天使の腕に抱かれた静寂の愛


ポーラ・アブドゥル『Spellbound』(1991)
NBAのチアリーダー出身で、ジャネット・ジャクソンの振り付けを担当していたポーラのデビュー作『Forever Your Girl』が1年以上を掛けてチャートの頂点に。アルバムは世界で1200万以上を売り上げ、4曲のシングルがナンバーワン・ヒットに輝くという大ブレイクから3年。当時、ちょっと落ち着いた彼女のセカンド(2週1位)が届けられた。「Rush Rush」「The Promise of a New Day」などを収録。再評価されるべき良質なエンターテインメントだ。


ブリトニー・スピアーズ『Oops!… I Did It Again』(2000)
1999年当時。「何も起こらない世紀末ムード」の中でパワフルな輝きを放ったティーンポップ。その象徴となったのが全米だけで1400万枚以上を売り上げて社会現象にもなったブリトニー。本作はそんな勢いの中でリリースされたセカンド(1週1位)。タイトル曲や「Stronger」がヒット。通常2年、長くても3〜4年で消えてしまうアイドルの運命を覆し、ポップスターとして昇華していく彼女の決意のようにも感じられた。


ホールジー『Hopeless Fountain Kingdom』(2017)
2010年代に入って様々な新しいタイプの音楽やアーティストが登場し、正直「ついていけない」「分からなくなった」という人も多いはず。そんな時はビルボードのチャートを追いかけよう。レディー・ガガやケイティ・ペリーやテイラー・スウィフトらの先には誰がいるのか。2015年に『Badlands』でデビューしたホールジーはそんな一人。本作は彼女のセカンド(1週1位)で「Bad at Love」がヒット。次に何をやってくれるか楽しみなアーティスト。


【執筆者の紹介】
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