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キャロル・キングの名曲「Sweet Seasons」が日本で発売された日

2019.02.25

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人生では勝つこともあれば負けることもある
時にはうまくいったと思ったとたんに
憂鬱に取りつかれてしまうことだってある
街中でとやかく言われるかもしれないけど
私は持てる力のすべてを出して賭けてみたいの
この機会を無駄にしたくないから


1972年(昭和47年)2月25日、当時30歳だったキャロル・キングの「Sweet Seasons」(キングレコード)が日本で発売された。
同年の国内ヒットソングといえば…
1位「女のみち」/宮史郎とぴんからトリオ
2位「瀬戸の花嫁」/小柳ルミ子
3位「さよならをするために」/ビリーバンバン
札幌冬季オリンピック、ミュンヘンオリンピックが開催され、自動車に初心者マーク登場、東北自動車道が開通、そして連合赤軍によるあさま山荘事件がおこった年でもある。

心にも“快い季節”があると思うの
考えるとワクワクするけど
たやすく過ぎ去ってしまうものなの
まるで海上をすべるヨットのように…


本国アメリカでは、前作『つづれおり』のヒットに続いて1971年12月にリリースされた3rdアルバム『ミュージック』に収録され、翌1972年1月11日にシングルカットされたこの「Sweet Seasons」。
作曲はキャロル・キング、そして作詞クレジットには名盤『つづれおり』に収録の全米1位・グラミーで最優秀レコード賞を受賞した楽曲「It’s Too Late」を書いたトニ・スターンの名が記されている。
同曲は、1972年3月4日付のビルボードHot 100で9位を記録。
また、ビルボードのイージーリスニングチャートでは2位を記録した。
彼女は当時の心境を自伝にこう綴っている。

「私は“つづれおり”があれほどヒットするとは思っていなかったし、今後もあれほどのヒットを期待する理由がない。当時の私はごく普通の生活を楽しみながら、曲作りとレコード作りをして生計を立てていることが、ただただありがたかった。“普通”という言葉の見解はそれぞれに任せるが、私は30歳になった1972年、けっこう普通の人生を送っていたと思っている。」

人生では勝つこともあれば負けることもある
たいていの場合その中間で妥協するのね
うまくいったかなと思い悩みながら…
私は子供達を産んで自分の生計を立てているわ
季節が駆け足で過ぎ去るのを眺めるの
自然の中で人生を築くわ
田舎での人生を選ぶの


前作アルバム『つづれおり』同様、ロサンゼルスのA&Mスタジオでレコーディングが行われ、サム・クックやママス&パパスを手掛けたルー・アドラーがプロデューサーを、ハンク・チカロがエンジニアを務めている。
ジャケット写真も『つづれおり』と同じく、カーペンターズ、B・B・キング、ジョー・コッカーら人気アーティストのアルバム約300枚のジャケットを手がけたジム・マクラリーが担当。
2007年に発売された彼女のベスト盤『ベスト・オブ・キャロル・キング』のライナーノーツには萩原健太氏の筆でこんな言葉が綴られている。

「この曲は、初期のカーティス・メイフィールドの作風に影響を受けたようなリズムパターンがイントロや間奏など、随所に顔を覗かせるのが興味深い。この時期のキャロルの作品には、当時“ニューソウル”と呼ばれていた類の新感覚のソウルミュージックからの影響が色濃く表れている。」


<引用元『ベスト・オブ・キャロル・キング』ライナーノーツ(萩原健太)/Epic>
<引用元・参考文献『キャロル・キング自伝 ナチュラル・ウーマン』キャロル・キング(著)松田ようこ(翻訳)/河出書房新社>

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