クリスマスがやってきた(争いは終わるよ)
弱き人にも強き人にも(それを望みさえすればね)
富める人にも貧しき人にも(争いは終わるよ)
世界はひどい過ちを犯しているけど…(それを望みさえすれば)
全ての争いをやめようじゃないか(いま)
今日はジョン・レノン(享年40)の命日です。
それは1980年12月8日、午後10時50分に起きた悲劇。
ジョン・レノン、ヨーコ・オノ夫妻はスタジオでの作業を終え、ニューヨーク市セントラルパークウェスト72丁目のダコタ内の自宅へ帰ってきたところだった。
72番街の路上でリムジンを降り、ヨーコより数歩先を歩いていたジョンに、黒のレインコートを着て金ブチ眼鏡をかけた男が門の横から「レノンさん」と声をかけた。
男は、振り返ったジョンに向かって38口径のピストルを5発発射した。
銃弾はジョンの胸に3発、左肩に2発命中し、うち2発が貫通して腕にまで到っていた。
苦痛のうめき声をあげるジョン。
よろめきながらも入口の奥にある守衛室に向かって6歩ほど歩き、一言だけ残して前向きに倒れた。
「撃たれた…」
その傷口からはおびただしい血が流れ出ていた。
ヨーコが駆け寄り、彼の頭を胸に抱いて絶叫した。
「彼を助けて!」
守衛の通報で駆け付けた警察がジョンをパトカーの後部座席に乗せ、59丁目のルーズベルト病院に急行した。
だが…医師たちには手の施しようがなく、11時15分に彼の死が公式発表された。
死因は左胸の銃傷による大動脈からの大量出血だった。
ジョンを撃った男はその場に茫然と突っ立ち、警察の取り調べにも素直に応じた。
マーク・デビッド・チャップマンという25歳の男で、銃撃の5時間ほど前にはジョンからサインをもらっていたことも分かった。
1971年に発表されたこの「Happy Xmas (War is Over)」。
歌詞の中にくりかえし出てくる“War is over”の War は、ベトナム戦争のことを指している。
当時、ジョンとヨーコは“War is over”と書かれた広告をメジャーな新聞や看板などに掲載し、世界平和を呼びかけた。
歌の誕生から40年以上経つ今も、世界のどこかで戦争や暴力、そして貧困に苦しんでいる人や子供達がいます。
時代を超えて、国境を越えて…ジョンの歌声が私達に平和の意味を問いかけてくる。
2012年8月20日、シリアを取材中、銃撃によって志を絶たれたジャーナリスト・山本美香さん(享年45)の言葉をご紹介します。
「平和な世界は、たゆまぬ努力を続けなければ、あっという間に失われてしまいます。」
「世界は戦争ばかり、と悲観している時間はありません。
この瞬間にもまたひとつ、またふたつ…大切な命が奪われているかもしれない。
目をつぶって、そんなことを想像してみて下さい。」
書籍『戦争を取材する〜子供たちはなにを体験したのか』(山本美香 著)より