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恋はみずいろ〜全盛期のビートルズの売り上げを超えた!?インストゥルメンタルの金字塔

2024.02.07

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1968年2月10日、全米のミュージックチャート史において歴史的な出来事が起きた。
フランス人アーティストによるインストゥルメンタルの楽曲が1位に輝いたのだ。
その記念すべき曲の名は「Love Is Blue」。
フランス語の原題は「L’amour est bleu」、日本タイトルは「恋はみずいろ」と付けられた。
クレジットには作詞ピエール・クール、作曲アンドレ・ポップと記されている。
この曲は1967年に行なわれたユーロビジョン・ソング・コンテストのためにルクセンブルグ大公国の代表曲として書かれたもので、当時ギリシャの船会社主の娘ヴィッキー・レアンドロス(当時18歳)が歌い4位に入賞している。



翌年、イージーリスニング界の第一人者ポール・モーリアがアレンジしたインストゥルメンタル版がアメリカでリリースされて大ヒットを記録する。
(1968年2月〜3月のBillboard Hot 100で5週連続第1位)
当時はまだ“ムード音楽”として軽視されていたジャンルが“イージーリスニング”という新しい呼び名を冠されて、ヒットチャートを駆け上る快挙を遂げたのだ。
当時、音楽誌では「ビートルズの“ハロー・グッバイ”の上昇を妨げた曲」として、紹介される場面もあったという。

ヴィッキーの歌唱版もポール・モーリア版のヒットと共に各国で注目されるようになる。
同年には漣健児訳詞による日本語版「恋はみずいろ」が作成され、6ヵ国語を使い分ける語学力を持っていたヴィッキーは初来日の際(1970年)に日本語バージョンを披露したという。
その後、森山良子や天地真理、山本リンダといった人気歌手が歌唱し、日本でも広く親しまれるようになる。






現在でもBGMの定番のひとつとして様々な映像作品のシーンやTV番組などで用いられており、世界中で多くの人々に親しまれている曲である。
ちなみに…この曲のタイトルに用いられている“bleu”。
日本では悲しいイメージに結びつけがちな青色“みずいろ”と訳されているが、フランスではこの青系の色は美しく明るいイメージで用いられることがほとんどなのだ。
この曲でも、恋の美しさや素晴らしさをあらわす色として用いられている。
フランスの北部の気候を知れば、よりこの“bleu”が持つニュアンスを理解できるらしい。
灰色の空の下で凍える長い長い冬から、青空が広がる暖かな春の到来をフランス人は毎年待ちわびるという。




<引用元・参考文献『ポップ・フランセーズ名曲101徹底ガイド』向風三郎(音楽出版社)>





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