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モッチェ永井──東京のスカ・シーンから飛び出した、ソウルフルなシンガー・ソングライター

2015.07.13

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ジャマイカ音楽を通過した四畳半フォークか、歌謡曲から抽出された現代人のブルースか──畳敷きの宴会場をハーレム・スクエア・クラブへと変貌させる練馬のサム・クックこと、モッチェ永井。

人気スカ・バンド=エスカルゴ・マイルスや、今野英明&Walking Rhythm、かみぬまゆうたろうのサポートなど、元々はベーシストとして活躍していた彼だが、その声量のある歌声は、コーラスワークなどでも存在感を示していた。震災を経て、自らの歌を歌いたいと一念発起し、ベーシストの活動を中断。モッチェ永井という名義で、シンガー・ソングライターとしての活動を開始。クラブやライブハウスだけではなく、居酒屋やカフェなど神出鬼没に登場しては、その場にいた人たちを笑顔にしてきた。2013年には自主制作盤『まちのあかりをけして』を発表。そして2015年7月に、自身の名を冠したデビュー・アルバムを完成させた。

アルバムにはエマーソン北村、浦朋恵の他、Cubetone、ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド、FULL SWINGなど、東京でルーツ音楽に根差した革新的な活動を展開しているバンドのメンバーたちがこぞって参加。ソウル、ブルース、ドゥー・ワップを基調とした楽曲を、ジャマイカ音楽のエッセンスを匂わせるサウンドで味付けし、そこにモッチェ永井が朗々とした歌声を響かせる。

あっけらかんとした歌声で明朗に歌い上げられる日本語詞の背景に、どこか物悲しさやメランコリックな心模様も漂わせるあたりは、演歌に通じるようでもあり、ブルースの本質に迫っているようでもあり。誰もが楽しめるフレンドリーさを持ちながら、噛み締めるほどに味わいを増していくモッチェ永井の歌は、これからどんどんと世代を超えて伝わっていくことだろう。


モッチェ永井『モッチェ永井』

モッチェ永井
『モッチェ永井』

(Hanx Records/VIVID SOUND)



モッチェ永井 official website
http://hanx-inc.com/records/mocche-nagai/
http://mocche.tumblr.com/



モッチェ永井「‪眠れなくなりそうで」 MV
モッチェ永井「‪心のシャッタ〜‬」 LIVE

モッチェ永井『モッチェ永井』発売記念イベント
カツオ・プレゼンツ・熱い音ライブVOL.30
7月23日(木)20:00〜
タワーレコード渋谷店 6F 特設コーナー
ミニライブ&サイン会
http://towershibuya.jp/2015/07/23/43999

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