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エルヴィスの一言によって永遠のラヴソングとなった「好きにならずにいられない」

2016.08.11

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 賢者が言うには
 恋を焦るのは愚か者
 でも僕は
 君と恋に落ちる自分を
 どうすることもできないのさ

 映画「ブルーハワイ」の挿入歌として使用されたエルビス・プレスリーの「好きにならずにいられない」は、今でも人気のラブ・バラードだ。コリー・ハート、UB40がカバーしてヒットさせただけでなく、ブルース・スプリングスティーンなどもステージで披露している。



 だがこの曲、プレスリーの一言がなければ、陽の目を見ることがなかったかも知れないのである。
 ソングライター・チームのひとりだったのが、ジョージ・デヴィッド・ワイス。ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」の共作者としても知られる彼がこの曲を持ち込むと、レコード会社とエルビスのスタッフは難色を示した。
 それはもしかしたら、この曲がモチーフとしたのが、18世紀のフランスで生まれた「愛の喜びは(「プレジール・ダムール)」だったからなのかも知れない。
 ジャン・ポール・マルティーニが作曲し、ジャン・ピエール・クラリスが作詞した「愛の喜びは」は、失恋の歌なのである。



 この小川が遠い海へと
 野を越え 流れ続けるように
 私の愛も
 溢れ続くでしょう、と
 この岸辺で
 あなたは言ったのに

 だが、ワイスが作り変えたバージョンでは、失恋の歌は次のように作り変えられている。


 川のように
 確かに海へと流れ込む
 ダーリン、僕らの愛も
 似た定め

 是非この曲を映画で使いたい。エルビスの一言で「好きにならずにいられない」は、永遠のラヴソングとなったのである。
 だが、残念ながら、この歌は映画「ブルー・ハワイ」の主題歌にはならなかった。主題歌となったのは、ピング・クロスビーとシャーリー・ロスが主演した1937年の映画「ワイキキの結婚」のために書かれた「ブルー・ハワイ」だった。
「好きにならずにいられない」は、映画の中で、祖母の誕生日を祝うシーンで使われることになった。エルビス演じる主人公が祖母に手渡したプレゼントのオルゴール。祖母がプレゼントを開くと、あの聴きなれたメロディが流れ出す。そしてそのメロディに合わせてエルビスが歌う、というシーンである。

 暑い夏。
 久しぶりにエルビスのDVDを眺めながら、ビールを飲むのも悪くない。

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