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TAP the STORY

27歳のエルトン・ジョンと34歳のジョン・レノン、マジソン・スクエア・ガーデンでの共演

2015.07.11

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「誰もがそれを信じられなかったくらい、本当に感動的な夜だったよ」

エルトン・ジョンがそう振り返るのは、27歳だった1974年に行なったマジソン・スクエア・ガーデンでのコンサートだ。
発端は友人のジョン・レノンとの、ちょっとした賭けだった。

エルトン・ジョン ジョン・レノン

アルバム『心の壁、愛の橋(Walls and Bridges)』を制作していたジョンを、エルトンがスタジオに訪ねたのは、その年の夏の夜だった。

レコーディング中だった「真夜中を突っ走れ(Whatever Gets You Thru the Night)」に、ピアノを加えたらどうかとエルトンが提案した。
ジョンが喜んでそのアイデアを受け入れてくれたので、ピアノを弾いたエルトンはヴォーカルもデュエットすることになった。

出来上がりを聴いたエルトンは、「シングルにしたら絶対1位になるよ」と進言した。
だが、ジョンはまるで取り合わなかった。

「100万年かかっても、この曲が1位になることはありえないね」

すかさずエルトンは一つの提案をした。

「それじゃ、もし1位になったら僕のライブに出演してよ」


エルトン・ジョンとレノン レコーディング

ソロになって以来、ライブを避けてきたジョンだったが、この時は意外にもあっさり「OK」と返答した。
その時はシングルにするつもりがなかったから、軽くその場のノリで言ったのかもしれない。

やがて周りの声に説得されたジョンは、この曲をシングルでリリースする。
そして発売から1か月が過ぎた11月16日、「真夜中を突っ走れ」はビルボードのチャートで1位を記録した。

「約束、覚えてるかい?」という電話がジョンにかかってきた。もちろん、その声はエルトンだった。

11月28日、マジソン・スクエア・ガーデンで開かれていたライブの後半、エルトン・ジョンの紹介でジョン・レノンが登場すると、会場からは割れんばかりの歓声が湧き上がって、興奮がしばらく収まらなかった。

まさかこれがジョン・レノンの生涯でのラスト・ライブとなるとは、そのときは誰一人として思わなかっただろう。


飛び入り参加したジョンはエルトンと2人で「真夜中を突っ走れ」を披露し、続いてエルトンがカバーしていたビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド(Lucy in the Sky with Diamonds)」、さらに「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(I Saw Her Standing There)」の3曲を演奏してステージをあとにした。

会場にはジョンと別居中だったオノ・ヨーコが観に来ていた。
コンサート終了後の楽屋で再会した二人は長かった「失われた週末」に終止符を打ち、関係を修復していくことになる。



ジョン・レノン『心の壁、愛の橋』
ユニバーサル ミュージック

(2014年6月14日公開)

TAP the POP 2周年記念特集 ミュージシャンたちの27歳~青春の終わりと人生の始まり〜

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