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27歳のエルトン・ジョンと34歳のジョン・レノン、マジソン・スクエア・ガーデンでの共演

2019.03.23

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1974年の3月25日に27歳になったエルトン・ジョンは、その年11月28日に行なわれたマジソン・スクエア・ガーデンでのコンサートについて、こう振り返っている。

「誰もがそれを信じられなかったくらい、本当に感動的な夜だったよ」

アンコールに参加してくれたジョン・レノンが、一緒に3曲も演奏してくれたのだから無理もない。
その発端となったのは1年と少し前に、ジョン・レノンとの間でちょっとした軽いやり取りがあったからだ。

エルトン・ジョン ジョン・レノン


アルバム『心の壁、愛の橋(Walls and Bridges)』を制作していたジョンを、エルトンがスタジオに訪ねたのは1973年9月のことだった。
エルトンはそのときに、レコーディング中だった「真夜中を突っ走れ(Whatever Gets You Thru the Night)」を聴いて、ピアノを加えたらどうかと提案した。

ジョンがそのアイデアを喜んで受け入れてくれたので、エルトンはピアノとオルガンを弾いただけでなく、ヴォーカルもデュエットすることになった。

エルトン・ジョンとレノン レコーディング


出来上がりを聴いたエルトンはその場で、「シングルにしたら絶対1位になるよ」と進言した。
だがそのとき、ジョンはまるで取り合わずにこういったという。

「100万年かかっても、この曲が1位になることはありえないね」

そこでエルトンは、ジョンに一つの提案をした。

「それじゃ、もし1位になったら僕のライブに出演してよ」


ソロになって以来、ライブを避けてきたジョンだったのに、この時は意外にもあっさり「OK」と返答した。
その時はシングルにするつもりがなかったし、その場のノリで軽く言っただけなのかもしれない。

やがて周りの声に説得されたジョンが、この曲をシングルでリリースすることになった。
そして発売から1か月が過ぎた11月16日、ビルボードのチャートで「真夜中を突っ走れ」は1位を記録したのである。

ジョンに「約束、覚えてるかい?」という電話がかかってきた。
もちろん、その声の主はエルトンだった。

11月28日、マジソン・スクエア・ガーデンで開かれていたライブの後半、エルトン・ジョンの紹介でジョン・レノンが登場した。
会場からは割れんばかりの歓声が湧き上がり、しばらくは観客の興奮が収まらなかった。


飛び入りで参加したジョンはエルトンと2人で、まず「真夜中を突っ走れ」を披露した。
続いてエルトンがカヴァーしていたビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド(Lucy in the Sky with Diamonds)」と、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(I Saw Her Standing There)」の3曲を演奏して、ステージをあとにした。

その夜、会場にはジョンと別居中だったオノ・ヨーコが観に来ていた。
コンサート終了後の楽屋で再会した二人は、長かった「失われた週末」に終止符を打ち、夫婦としての関係を修復していくことになる。

しかし、まさかこれがジョン・レノンの生涯におけるラスト・ライブとなるとは、そのときは誰一人として思ってもみなかっただろう。


(本コラムは2014年6月14日に公開されました)


ジョン・レノン『心の壁、愛の橋』
ユニバーサル ミュージック



TAP the POP 2周年記念特集 ミュージシャンたちの27歳~青春の終わりと人生の始まり〜

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