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ワン・ツー・スリー・オクロック
フォー・オクロック・ロック
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ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツが1955年にリリースした「ロック・アラウンド・ザ・クロック」。
一度聞いたら忘れられない軽快なカウントアップとともに始まるこの歌は、映画『暴力教室』の主題歌に使われたことによってロックンロール史上初のヒット曲となった。
この曲で多くの少年少女がロックンロールに目覚めたが、ポール・マッカートニーもその1人だ。
ポールがリヴァプールの街に生まれたのは第二次大戦中の1942年6月18日。
父親の仕事は綿花の仲介業者だったが、アマチュア・バンドでピアノを弾いていたこともあり、家には常に音楽が溢れていた。
それに加えて港町だったこともあり、船や船乗りを通じて海外の音楽が次々に入ってくるという、音楽的には非常に恵まれた環境だった。
「戦争の思い出を消すために、みんな、前向きな曲を求めていた。そしてぼくは、そんななかで育ったんだ」
ポールが「ロック・アラウンド・ザ・クロック」と出会ったのは1956年の9月、14歳の頃だ。
それは、映画『暴力教室』が上映されていたロンドンの映画館で、興奮したテディ・ボーイたちが座席を破壊して踊り始めたというテレビのニュースだった。
テディ・ボーイとは不良のことで、イギリスの国王がエドワード7世だった1900年代前半頃のファッションを好んでいたことから、エドワードの愛称であるテディの名で呼ばれていた。
『大変な惨状です。テディ・ボーイとロッカーたちがロンドンの映画館で暴れまわりました。そしてこれが、すべての騒ぎの元凶です』
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ワン・ツー・スリー・オクロック
フォー・オクロック・ロック
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「そしてぼくは生まれてはじめて、背筋に電流が走るのを感じた。
これはぼくのだ!」
その日を境に、ポールはロックンロールという新しい音楽の虜になるのだった。
ところで、この頃のイギリスではスキッフルが大ブームになっていた。
スキッフルとはアメリカ生まれの音楽で、ジャンル的にはジャズやブルースの類だが、その一番の特徴が洗濯板や桶など身近にあるものを演奏に使う点だ。
そのお手軽さが若者たちにウケて、当時のイギリスでは数多くのスキッフル・バンドが誕生していた。
その火付け役であるロニー・ドネガンのステージをポールが見たのは11月のこと。
ポールはすぐさま誕生日にもらったトランペットをギターと交換するのだった。
「ロニー・ドネガンの影響が大きかった。あれで、ぼくらにもできるんだと実感できたからだ」
年が明けた1957年のはじめ、ポールのもとにビル・ヘイリーがイギリスで初のツアーをするという情報が入ってきた。
ポールの記憶によれば入場料は24シリング、それに対してポールの小遣いは週に2シリングだったから、お金を貯めるのに何週間もかかったという。
ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツがリヴァプールの街へとやってきたのは2月20日。
当時14歳だったポールは一人で会場となるオデオン・シネマに足を運んだ。
前半がビッグバンドによる演奏だったため、ロックンロールを聴きに来たポールは不満を募らせたが、ビル・ヘイリーが登場してカウントアップが始まるとそれまでの不満を忘れ、生で聴く初めてのロックンロールに、再び背筋に電流が走るのを感じるのだった。
「ロック・アラウンド・ザ・クロック」でロックに目覚め、ロニー・ドネガンでギターを手にしたポールがジョン・レノンと出会うのは、それから約半年後のことだ。
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ロック時代の幕を開けた曲、ロック・アラウンド・ザ・クロック
参考文献:
『ポール・マッカートニー 告白』ポール・デュ・ノイヤー著/奥田祐士訳(DU BOOKS)

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