「TAP the CHART」第8回/1990年
まずはシングルとアルバムのビルボード年間チャートTOP 10から。
【1990年のBillboard年間チャート】
★TOP 10 SINGLES
❶Hold On / Wilson Phillips
❷It Must Have Been Love / Roxette
❸Nothing Compares 2 U / Sinéad O’Connor
❹Poison / Bell Biv DeVoe
❺Vogue / Madonna
❻Vision of Love / Mariah Carey
❼Another Day in Paradise / Phil Collins
❽Hold On / En Vogue
❾Cradle of Love / Billy Idol
❿Blaze of Glory / Jon Bon Jovi
1990年の年間TOP20。1位はウィルソン・フィリップスの「Hold On」。TOP10は38分27秒以降。
★TOP 10 ALBUMS
❶Rhythm Nation 1814 / Janet Jackson
❷…But Seriously / Phil Collins
❸Soul Provider / Michael Bolton
❹Pump / Aerosmith
❺Please Hammer, Don’t Hurt ‘Em / MC Hammer
❻Forever Your Girl / Paula Abdul
❼Dr. Feelgood / Mötley Crüe
❽The End of the Innocence / Don Henley
❾Cosmic Thing / The B-52’s
❿Storm Front / Billy Joel
●これらの商品の購入はこちらから
●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから
【1990年の主な音楽的出来事】
○ジャネット・ジャクソンやポーラ・アブドゥルといったブラック/ダンス系が前年に引き続きロングセラーを記録する中、マドンナがハウスを取り入れて90年代をスタートさせた。また、ラップも大人気でMCハマーが大ブレイク。90年代を代表する歌姫マライア・キャリーもこの年デビューした。ポップシーンではウィルソン・フィリップスが大活躍。マイケル・ボルトンやシネイド・オコナーなどのシンガーも評価された。ロックシーンでは復活したエアロスミスが70年代以上の成功を収めた。
○ウィルソン・フィリップスやネルソンなど二世アーティストが大活躍。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの娘カーニーとウェンディ、ママス&パパスのジョンとミッシェル・フィリップスの娘チャイナによる3人組ウィルソン・フィリップスがデビュー。親譲りのコーラスワークと西海岸サウンドで3曲立て続けにナンバーワンヒットを記録した。また、リッキー・ネルソンの双子の息子によるネルソンもデビューしていきなりナンバーワンヒットという人気ぶり。
○マドンナの「Vouge」が大ヒットして、PVのヴォーギング映像(世界的ファッション雑誌『ヴォーグ』に登場するモデルのようなポーズを取り入れたダンス)も話題に。最先端だったダンス/クラブミュージックのハウスを取り入れたこの曲で、マドンナは世界的ポップスター/エンターテイナーとしての評価をより高めた。また、ハウス系の曲もこの年ヒットを量産。ディー・ライト、テクノトロニック、リサ・スタンスフィールド、ブラック・ボックスなどがチャートインした。
○スティーヴィー・レイ・ヴォーンが墜落事故死。1983年のメジャーデビュー後、ブルースシーンを牽引してきたSRVが公演先の移動中に墜落事故。享年35。ドラッグから抜け出して再起を図ったばかりだった。彼から影響を受けてリスペクトするミュージシャンは今でも数多い。
(TAP the POPの関連コラム)
スティーヴィー・レイ・ヴォーン〜最悪な一夜を人生の転機にしたSRV
○リンダ・ロンシュタットが7年ぶりのポップアルバム『Cry Like a Rainstorm, Howl Like the Wind』をリリース。ゲストにアーロン・ネヴィルやブライアン・ウィルソンなどを迎え、キャリアを代表する名作となった。
○ローリング・ストーンズの日本公演が遂に実現。東京ドームで10回公演を行う。
○ポール・マッカートニーの24年ぶりの来日と日本公演も実現。
○90年代を代表する歌姫となるマライア・キャリーがデビュー。
○カントリーのガース・ブルックスがスーパースターに。
○ソニック・ユースがメジャー1弾となる『Goo』をリリース。
◯ブルーズ史上最大の伝説ロバート・ジョンソンの『The Complete Recordings』がリリースされる。
(TAP the POPの関連コラム)
ロバート・ジョンソンの“クロスロード伝説”や“悪魔との契約説”はなぜ広まったのか?
○1990年に亡くなったミュージシャン
デル・シャノン(2月8日)
サラ・ヴォーン(4月3日)
デクスター・ゴードン(4月25日)
サミー・デイヴィス・ジュニア(5月16日)
ジューン・クリスティ(6月21日)
スティーヴィー・レイ・ヴォーン(8月27日)
トム・フォガティ(9月6日)
アート・ブレイキー(10月16日)
【1990年のBillboard1位獲得シングル/アルバム】○内数字は獲得した週。
★SINGLES
Another Day in Paradise/Phil Collins ④*89年2週分含む
How Am I Supposed to Live Without You/Michael Bolton ③
Opposites Attract/Paula Abdul with The Wild Pair ③
Escapade/Janet Jackson ③
Black Velvet/Alannah Myles ②
Love Will Lead You Back/Taylor Dayne ①
I’ll Be Your Everything/Tommy Page ①
Nothing Compares 2 U/Sinéad O’Connor ④
Vogue/Madonna ③
Hold On/Wilson Phillips ①
It Must Have Been Love/Roxette ②
Step by Step/New Kids on the Block ③
She Ain’t Worth It/Glenn Medeiros featuring Bobby Brown ②
Vision of Love/Mariah Carey ④
If Wishes Came True/Sweet Sensation ①
Blaze of Glory/Jon Bon Jovi ①
Release Me/Wilson Phillips ②
(Can’t Live Without Your) Love and Affection/Nelson ①
Close to You/Maxi Priest ①
Praying for Time/George Michael ①
I Don’t Have the Heart/James Ingram ①
Black Cat/Janet Jackson ①
Ice Ice Baby/Vanilla Ice ①
Love Takes Time/Mariah Carey ③
I’m Your Baby Tonight/Whitney Houston ①
Because I Love You (The Postman Song)/Stevie B ④
1990年のナンバー1ヒットは26曲。
★ALBUMS
…But Seriously/Phil Collins ③
Girl You Know It’s True/Milli Vanilli ⑧*89年7週分含む
Forever Your Girl/Paula Abdul ⑩*89年1週分含む
Nick of Time/Bonnie Raitt ③
I Do Not Want What I Haven’t Got/Sinéad O’Connor ⑥
Please Hammer, Don’t Hurt ‘Em/MC Hammer ㉑
Step by Step/New Kids on the Block ①
To the Extreme/Vanilla Ice ⑯*91年8週分含む
【1990年の全米ベストセラーアルバム】
○1800万枚/ガース・ブルックス『NO FENCES』
○1100万枚/マドンナ『THE IMMACULATE COLLECTION』
○1000万枚/MCハマー『PLEASE HAMMER DON’T HURT ‘EM』
○1000万枚/レッド・ツェッペリン『LED ZEPPELIN』*複数枚組
○900万枚/マライア・キャリー『MARIAH CAREY』
【1990年のグラミー賞】
最優秀レコード/フィル・コリンズ「Another Day in Paradise」
最優秀アルバム/クインシー・ジョーンズ『Back on the Block』
最優秀ソング/ベット・ミドラー「From a Distance」
最優秀新人/マライア・キャリー
【1990年のMTVアワード】
ビデオ・オブ・ジ・イヤー/シネイド・オコナー「Nothing Compares 2 U」
年度ごとの音楽の出来事やヒットが分かる!〜TAP the CHARTのバックナンバーはこちらから
ジョエル・ホイットバーンに捧ぐ
Joel Whitburn (1939–2022)
この記事は2015年3月に公開されたものに一部加筆しました。
●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから
【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
■仕事の依頼・相談、取材・出演に関するお問い合わせ
https://www.wildflowers.jp/contact/