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怒れる灰色〜キンクスほか

2015.02.04

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「TAP the COLOR」連載第67回

まだアートスクールの学生だった頃、エリック・クラプトンは友人からロバート・ジョンソンのアルバムを渡された。ジャケットの解説には「恥ずかしがり屋のジョンソンはホテルの一室で録音のためのオーディションをしていた時、部屋の隅に向かって演奏した」と書いてあった。控えめな性格だったクラプトンの気持ちは晴れ渡り、すぐに共感したという。

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116293648 ヤードバーズ『Five Live Yardbirds』(1964)
ストーンズに変わってロンドンR&Bシーンの顔役になったヤードバーズ。64年3月にマーキー・クラブで録音されたライヴにしてファーストアルバム。18歳のエリック・クラプトン(中央)のキャリアはここから始まった。MCがこの時既に「スローハンド」と呼んでいる。


Bluesbreakers_John_Mayall_with_Eric_Clapton ジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズ『Blues Breakers with Eric Clapton』(1966)
ポップ志向に陥ったヤードバーズに愛想を尽かして、クラプトンが次に向かったのはブリティッシュ・ブルースの大御所、ジョン・メイオールのバンドだった。本作は66年4月に録音。シカゴ・ブルースへの愛が詰まった名盤。そしてクリーム結成へ。


angry-young-them ゼム『The Angry Young Them』(1965)
こちらはヴァン・モリソンのキャリアのスタートとなったファースト。ゼムはアイルランドで結成。モリソンの極めてソウルフルな歌唱と、アイルランド魂ともでも言うべき心の風景の伝達は本作にも存在する。ロックの源流がアイルランドであることを教えてくれる。


115685476 キンクス『Something Else』(1967)
最も英国的なバンドと称されるキンクス。初期のビートバンド時代よりも、労働者の生活や下町の風景、古き良き時代を歌う姿こそがレイ・デイヴィスの美学。「Waterloo Sunset」「Death of a Clown」といった夕暮れ時の美しい旋律を収録。


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