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60年代ストーンズをめぐる編集盤〜ブライアン・ジョーンズという“魔法”

2016.03.16

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「TAP the COLOR」連載第125回

「まだボトルネックが何なのかイギリスでは誰も知らない頃から、ブライアンは見事にスライドギターをものにしていた。彼こそがバンド名を考え、最初にプレイするものを選んだ」とビル・ワイマンが言うように、ブライアン・ジョーンズこそがローリング・ストーンズのリーダーだった。事実、彼なくしてバンドは生まれなかった。
(詳しくはこちらから)
ブライアン・ジョーンズ/ストーンズから消えた男〜すべてを失いながら彼は1969年に伝説になった

改めてブライアンがいた頃のストーンズの演奏に耳を傾けてみる。その印象的な曲の数々には、あらゆる楽器を弾きこなして“色気”と“魂”を注ぐブライアンの姿が見えてくる。「Walking the Dog」のあの声も、「Little Red Rooster」や「No Expectations」のスライドギターも、「Paint It Black」のシタールも、「Lady Jane」のダルシマーも、「Ruby Tuesday」のリコーダーも、「Under My Thumb」のマリンバも、すべてブライアンの魔法のおかげだ。

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0001 『Big Hits (High Tide and Green Grass)』(1966)
ストーンズの記念すべき最初のグレイテスト・ヒッツ集。この時代の他のバンドと同様、UK/US盤とでは選曲やジャケットデザインが異なる。ブライアンの魔法がかかった「Paint It Black」「Lady Jane」「Little Red Rooster」などを収録したUK盤の方が秀逸。なお、当初のタイトルは、マネージャーのアンドリュー・オールダムが考えた『Can You Walk on the Water?』だった。


71QHYDakhLL._SL1078_ 『Got Live If You Want It!』(1966)
こちらはUSのみと発売となったストーンズ初のライヴ録音盤。1966年のUKツアーで演奏した曲で構成されているが、女の子たちの熱狂的な歓声が凄くて、後年の味のあるライヴ盤とは程遠い。アイドル時代のストーンズの雰囲気を掴むならといったところ。また、オーティス・レディングで有名な「I’ve Been Loving You Too Strong」(1965年)と「Foutune Teller」(1963年)はスタジオ録音されていたものに、歓声をオーヴァーダビングしたもの。


Rolling_stones_-_hot_rocks 『Hot Rocks 1964–1971』(1971)
高額の税金対策が原因でフランスに移住したストーンズは自身のレーベルを立ち上げて再出発を図るが、そんな頃にリリースされた1963〜1971年のアンソロジー盤。発売元のABKOは元マネージャーのアラン・クラインが所有するレコード会社で、権利関係で出されたもの。続編に『More Hot Rocks』もあり、こちらはオリジナルアルバム未収録の選曲も入っていて存在価値は高い。皮肉にもストーンズのレコードの中で最も高いセールスを記録した。


YwqNeQq 『Singles Collection:The London Years』(1989)
こちらは解散危機を乗り越えたストーンズが復活ツアーを行った1989年のタイミングでリリースされた、60年代のシングル・コレクション3枚組。63年のデビュー曲から69年まで年代順にA/B面が並べられ、希少な曲も聴けるのでファンならマストアイテム。レノン&マッカートニーによるセカンドシングル「I Wanna Be Your Man」やミック・ジャガーのソロシングル「Memo from Turner」を収録。


【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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