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「TAP the COLOR」連載第140回
1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、2008年のセレモニーではデイヴ・クラーク・ファイヴ、レナード・コーエン、ジョン・メレンキャンプ、ザ・ベンチャーズ、マドンナらが殿堂入りした。
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ジョン・メレンキャンプ『The Best That I Could Do 1978–1988』(1997)
アメリカのインディアナ州の人口2万人にも満たないスモールタウンに生まれた彼は、売れない時代を乗り越えてジョン・クーガー名義で1982年に『American Fool』で大ブレイク。しかし、作られたスター街道を歩むことに嫌悪し、以降は本名のメレンキャンプで作品をリリースしていく。カントリーやフォークといった良質なルーツ・ミュージックが流れたアメリカの音。駄作がないのも当然で、Tシャツにジーンズというシンプルな装いにもこの男の信念を見る。本作は名曲を連発した80年代を振り返ったベスト盤。
マドンナ『Something to Remember』(1995)
世界のエンターテイナーとして現在も第一線で活躍するマドンナ。若いポップスターたちの憧れの的であり目標とされる彼女だが、1983年のデビューから30年以上も多大な影響力を持つスーパースターでいられるのは、時代ごとの最新のダンスポップやクラブ・ミュージックの動向を取り入れながらも、根底に革新的であろうとするアンダーグラウンド感覚を忘れていないからだろう。本作はバラード・ナンバーを集めたベスト盤。
レナード・コーエン『Songs of Love and Hate』(1971)
カナダ生まれのシンガー・ソングライターであるレナード・コーエンは、デビュー前は妻や子供らとヨーロッパの孤島に移住して、詩集や小説を発表していた。次第に自作の詩に曲をつけて歌い始め、1967年末に最初のアルバムを世に出す。本作は3作目。現在も精力的に活動し、2012年の『Old Ideas』は世界中でヒットした。ミュージシャンからリスペクトされる本物の歌い手。
デイヴ・クラーク・ファイヴ『Catch Us If You Can』(1965)
ビートルズの成功をきっかけにアメリカで起こった“ブリティッシュ・インヴェイジョン”。数々のグループがヒットを飛ばす中、最初にビートルズと人気を二分したのがロンドン郊外トッテナム出身のDC5だった。爽やかでポップなヴィジュアルだがR&B性は高く、サックスやオルガン、シャウトにコーラスといった独特のサウンドは本国よりもアメリカで受け、8曲のTOP10ヒットを放つ。本作はイギリスでの2枚目。
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