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ロックの殿堂入り1990〜キンクス/ザ・フーほか

2016.12.07

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「TAP the COLOR」連載第163回

1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、1990年のセレモニーではフォー・シーズンズ、キンクス、ザ・フー、サイモン&ガーファンクル、ハンク・バラード、ボビー・ダーリン、プラターズ、フォー・トップスらが殿堂入りした。

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s06-tapekocb-1200x1200-75 フォー・シーズンズ『The Very Best of Frankie Valli and The Four Seasons』
「地元を出る方法は3つ。“軍隊に入る”。でも殺される。“マフィアに入る”。それも殺される。あるいは“有名になる”。俺たちはあとの2つだった」。そんな言い回しで始まる映画『ジャージー・ボーイズ』はフォー・シーズンズの物語だった。ニュージャージー州の貧しいエリアで育ったイタリア系の彼ら。本作は彼らの足跡を振り返るベスト盤。「Sherry」「Big Girls Don’t Cry」「Walk Like a Man」「Rag Doll」「December, 1963 (Oh, What a Night)」といったナンバーワン・ヒットやフランキー・ヴァリ名義のヒットも網羅。決定盤だ。
(こちらもオススメです)
ジャージー・ボーイズ〜音楽への愛に満ち溢れた「君の瞳に恋してる」


6229-600x607 ザ・フー『Tommy』(1969)
英国が生んだ偉大なるバンドThe Who。1964年のデビューから数年間続いた「My Generation」を代表とするモッズバンド時代。あるいは知的な文学性に貫かれた『Tommy』や『Quadrophenia』といったロック・オペラと映画作品。モンタレー、ウッドストック、ワイト島、リーズなどで魅せてくれた史上最高の大音量ライヴバンドとしての圧倒的存在。『Who’s Next』に象徴される実験性の高い新しい音楽の追求。そして忘れられないユニオンジャックのファッションやステージでの楽器破壊のパフォーマンス。これほどまでに様々な表情を持ちながら、ファンを楽しませてくれたバンドが他にいただろうか? 彼らがロック史に刻んだ足跡は余りにも大きい。
(こちらもオススメです)
キッズ・アー・オールライト〜 ロック史上最高の大騒音ライヴバンドThe Whoの軌跡


the_kinks-soap_opera-frontal キンクス『Soap Opera』(1975)
最も英国的なバンドと言われるキンクス。1964年のデビューから数年は、ストーンズやザ・フーと並ぶ人気ビートバンドだったが、レイ・デイヴィスは「弟のデイヴの趣味」と割り切っていたようだ。70年代になると、英国の下町風景や社会への皮肉を主題にした演劇的なコンセプトアルバムを次々と発表。本作もそんな頃の1枚。ロックバンドとしての復活は70年代後半になるものの、一連の作品ではレイのストーリーテラーとしての才能が楽しめる。これもキンクスなのだ。


070448c3-8011-473f-a3c6-a6f684b8ee58 サイモン&ガーファンクル『Bridge Over Troubled Water』(1970)
60年代アメリカの青春と挫折、風景そのものを象徴するデュオ。アート・ガーファンクルの映画出演による長期間の拘束は、ポール・サイモンを苛立たせ、相棒抜きの作業に向かわせた。世界で一番有名な曲の一つ(タイトル曲)を収録した本作は、二人が最悪な関係の時に作られたのだ。日本の音楽界に与えた影響も計り知れない。


【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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