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1月のナンバーワンアルバム④〜グリーン・デイ/ドン・マクリーンほか

2018.01.24

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「TAP the COLOR」連載第233回〜RED〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。1月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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グリーン・デイ『American Idiot』(2004)
1曲目から「メディアに情報をコントロールされる国」「俺はアメリカのアホにはなりたくない」なんて歌われ、イラク戦争で暴走していたブッシュ政権に対する確固たる姿勢が貫かれる。ポップ・パンクからの脱却と新たなる音楽的挑戦。全曲に聴かれる怒りと哀しみの鼓動が余韻を残す。バンドにとって初めてのナンバーワン(3週1位)になった一大コンセプト・アルバム。「Wake Me Up When September Ends」など名曲多数。


ドン・マクリーン『American Pie』(1971)
「バディ・ホリーがいなくなって……音楽が死んだ日」と歌われるタイトル曲の大ヒットで、一躍人気シンガー・ソングライターの仲間入りを果たしたドン・マクリーン。70年代前半を代表する一枚(7週連続1位)。他にゴッホを題材にした「Vincent」を収録。1980年にもヒットを飛ばした。ゼロ年代になって何とマドンナがタイトル曲をカバー。


バーブラ・ストライサンド『The Broadway Album』(1985)
未だ来日公演が実現していない超大物アーティストの筆頭格と言えば、この人バーブラ・ストライサンド。1962年にデビューして以来、歌手として女優としてグラミー賞・アカデミー賞・エミー賞・トニー賞すべてを受賞している。本作は数ある彼女のナンバーワン・アルバム((3週1位、現在まで11枚)の一つで、タイトル通りミュージカルのスタンダード・ナンバー集。時代はMTVポップ全盛期。一級のエンターテインメントとは何なのか、当時の若い世代にしっかり伝えてくれた作品。


テイラー・スウィフト『Red』(2012)
2010年代最大のスターであるテイラー。ここ2作は原点のカントリーから離れてポップ寄りの作品が続いているが、4枚目となった本作はカントリーチャート/ポップチャート(7週1位)両方でナンバーワンを獲得。アルバム不況と言われる中でアメリカだけで600万枚上を売り上げた。初のナンバーワン・ヒットとなった「We Are Never Ever Getting Back Together」などを収録。早くカントリーに戻ってきてほしい。
(詳しくはこちらで)
テイラー・スウィフト〜カントリー音楽を愛するソーシャル時代のポップスター


【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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