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「TAP the COLOR」連載第328回〜GRAY〜
(2月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック:ビル・ヘイリー、バディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、デル・シャノン、カール・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)、マイク・ブルームフィールド、ゲイリー・ムーア、ボン・スコット(AC/DC)、シド・ヴィシャス
ポップ:ダイナ・ショア、フランキー・レイン、カレン・カーペンター、ファルコ
カントリー/フォーク:ウェッブ・ピアース、ウェイロン・ジェニングス
ブルーズ/R&B/ソウル:ルイ・ジョーダン、ナット・キング・コール、スクリーミン・ジェイ・ホーキンス、リトル・ウォルター、マジック・スリム、フランキー・ライモン、フローレンス・バラード(シュープリームス)、モーリス・ホワイト(EW&F)、ホイットニー・ヒューストン
ジャズ:セロニアス・モンク、ジョージ・シアリング、リー・モーガン、ドナルド・バード、アル・ジャロウ
その他:ヴァン・クライバーン、パーシー・フェイス、ジーン・ケリー
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ザ・クリケッツ『The “Chirping” Crickets』(1957)
ロックンロールが広まった1950年代半ば〜後半には、見た目一発の強烈な個性を放つアーティストがたくさんいた。メガネのバディ・ホリーもその一人。優等生っぽいヴィジュアルに荒々しいサウンドというギャップ。その豊かな音楽性は続くビートルズやストーンズにも多大な影響を与えた。本作はホリーのバンドのデビュー作で、R&Rスタンダードとなる「That’ll Be the Day」を収録。しかし1959年2月3日、ツアー移動中に乗り込んだ飛行機が墜落。22歳で永遠の伝説となった。
ポール・バターフィールド・ブルース・バンド『East-West』(1966)
ロンドンのブルーズ熱に対抗できた最初のアメリカン・バンドが彼ら。白人と黒人混成というのも、本場シカゴ出身ならでは。本作は代表作となったセカンド。マイク・ブルームフィールドの表情豊かで正確なギター、ポール・バターフィールドのブルーズへの愛情が込められたハーモニカなど、音楽的技能とセンスは同じホワイト・ブルーズ・ロッカーの中でも群を抜いていた。ブルームフィールドは1981年2月15日、37歳の若さで他界した。
ビーチ・ボーイズ『Keepin’ the Summer Alive』(1980)
ビートルズ登場前夜のカリフォルニアを舞台に、サーフィンや車が似合う爽やかなハーモニーを聴かせていたビーチ・ボーイズ。そんな明るい世界観から一転、60年代後半には実験的な試みと独創的な芸術志向で波の中に潜っていった彼ら。そのあたりから70年代にかけての「低迷期」こそ、真のファンが多いとも言われる。本作はそんな流れの最終章。天才の兄ブライアン・ウィルソンが不安定な状況にある中、弟カールと共にバンドを支え続けたデニスが3年後に亡くなるのだ。そのカールも1998年2月6日、51歳で亡くなった。
ウェッブ・ピアース『The Complete Us Country Hits』
ハンク・ウィリアムスのホンキートンクの伝統を受け継いだウェッブ・ピアースは、1952年のデビュから60年代初頭にかけてカントリーチャートで大量のヒットを放ち(13曲のナンバーワン含む)、ペダル・スティールを前面にアプローチしたサウンド、新人の発掘やバックアップなど後進アーティストに多大な影響を与えた。本作は全盛期のピアースの足跡をまとめた編集盤。すべてのヒットが聴ける。1991年2月24日、69歳で死去。
【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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