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道化師のギャロップ〜あの運動会の定番曲は児童劇のために作曲されたものだった!?

2023.09.12

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スポーツの秋ということで…誰もが一度は耳にしたことのある“運動会の定番曲”をご紹介します。
運動会の起源はヨーロッパにあるとされるが、日本で行われだしたのは明治時代である。
当初、運動会は「競闘遊戯会」「体操会」「体育大会」などと呼ばれていた。
もともと欧米では体育およびスポーツの分化により、一方では特定種目の競技会やそれを複合させたスポーツ競技会、一方で子供による伝統的な遊戯まつりやピクニック会などへとつながって今日に至っているという。
日本の運動会のように参加者が一定のプログラムについて順次全体としてまとまりながら競技・演技を行う形式の体育的行事は日本独特のものなのだ。
そんな日本の運動会で「天国と地獄」と並んでよく用いられてきたのがこの楽曲。
どこからともなく聴こえてくるだけで自然と気持ちが沸き立ってくるような軽快なテンポと弾んだ旋律。
タイトルは一般的に「道化師のギャロップ」とされており、全10曲から成る組曲の第2曲目として作られたものである。
作曲者はドミトリー・カバレフスキーというロシアの作曲家・ピアニスト。
もともとは『発明家と道化役者』という児童劇のために作られたもので、資料には1938年に作曲されたと記されている。
劇の内容は、旅回りの道化師の一座と彼らの愉快ないたずらを題材にしたものだったという。
1940にレニングラードの中央児童劇場で初演され、翌年、この中から10曲を選んで組曲としたのが本作である。

1.「プロローグ」 
2.「ギャロップ」 
3.「行進曲」 
4.「ワルツ」 
5.「パントマイム」 
6.「間奏曲」 
7.「小さな叙情的な風景」 
8.「ガヴォット」 
9.「スケルツォ」 
10.「エピローグ」


ところで、この“ギャロップ”という言葉は何を表すものなのだろう?
日本語では襲歩(しゅうほ)とも呼ばれているもので、馬術における馬の最も速い走り方(1歩ごとに4つの足が地面を離れる)を表す。音楽用語としては、4分の2拍子の急速な舞曲(テンポの早い曲)のことを指し、19世紀中頃に流行したものだという。 
運動会というものが日本の風物詩・学校行事として残ってゆくかぎり…おそらく「道化師のギャロップ」も永遠の定番曲として使われ続けてゆくことだろう。






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