カントリーミュージック。
それはアメリカ合衆国南部で発祥した音楽である。
「アパラチアンミュージック」「マウンテンミュージック」「ヒルビリー」「カントリー&ウエスタン」などと呼ばれた時期を経て、現在の名称となった。
ヨーロッパの伝統的な民謡やケルト音楽などが、ゴスペルなど霊歌・賛美歌の影響を受けて1930年代に成立したものと云われている。
今もなお変わらぬ人気を誇るそのシーンには、それぞれの時代を彩ってきた“カントリーの女王”と呼ばれた歌手が存在した。
1950年代に活躍したキティ・ウェルズ。
そして1960年代にはロレッタ・リンがその座に君臨していた。
ロレッタと言えば…ケンタッキー州の小さな炭鉱町ブッチャーホラーで炭坑夫の娘として育った生い立ちでも知られている。
8人兄弟の2番目(次女)という大家族の中、貧しい環境で育った彼女が歌手として成功するまでを描いた映画『歌え!ロレッタ愛のために』(原題Coal Miner’s Daughter)は、カントリーファンのみならず幅広い層に愛された作品である。
13歳で結婚し、18歳にしてすでに4人の子供の母となっていた彼女。
5回目の結婚記念日に夫から安物の古いギターをプレゼントされた彼女は、独学で練習しながら二十代から歌い始めたとう。
夫と二人三脚で地道な売り込み活動や、ローカルクラブへの出演を続けていると、彼女の歌は次第に認められるようになってゆく。
そんなある日、テレビのコンテストに出演。
その放送を見たレコード会社(Zero Records) の社長の目に留まって、ハリウッドでのレコーディングのチャンスを得る。
25歳を目前にした1960年3月に、その音源が1stシングルとしてリリースされる。
その2年後、大手レコード会社のデッカとの契約を手にし、60年代前半にはスター歌手の仲間入りを果たしたのだ。
順調に実力と人気を伸ばしていく中、彼女は自らが生まれ育ったケンタッキー州にまつわる歌と出会い、1965年に新曲として発表する。
ロレッタが歌ったこの「Blue Kentucky Girl」は、当時チャート1位には及ばなかったが、哀愁漂うその声に多くの人達が心を奪われたという。
当時、そんなロレッタの歌声に心酔した女性歌手がいた。
彼女の名前はエミルー・ハリス。
ジョーン・バエズやバック・オーウェンスから影響を受けて歌手活動をスタートさせた彼女は、グラム・パーソンズに見出されて一躍注目を集める存在となる。
1973年にグラム・パーソンズがドラッグのオーヴァードーズによって他界。
親交の深かったザ・バーズのギタリスト、クラレンス・ホワイトも事故死するなど連続して予期せぬ不幸が彼女を襲う。
深い悲しみから立ち上がるまでにしばし時間を要したが…グラム・パーソンの意志を継くことを決心した彼女は活動を再開させる。
その当時、彼女の歌声を支えたのはグラム・パーソンのバックバンドのメンバーたちだった。
心機一転、新たなメンバー、新たな作品と共にカントリーシーンに新たな風を吹き込んでゆく中、1979年に彼女は長年憧れつづけてきたロレッタ・リンが歌った「Blue Kentucky Girl」をカヴァーして発表する。
エミルーのバージョンは、オリジナルの売り上げを超えて翌年のグラミー賞を受賞。
この時点で彼女は“カントリーロック歌手”から“新カントリーの女王”という異名で呼ばれるようになる。
それはまさに一曲の歌が世代のバトンを繋いだ瞬間だった。
<引用元・参考文献『ロック&ポップス名曲事典300』鈴木カツ(著)/ヤマハミュージックメディア>
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