♪海に魚たちが泳いできたよりも長く
空を飛ぶ鳥たちよりも高く
天国に星が煌いてきたよりも長く
僕は君と愛の世界で過ごしてきた♪
永遠の愛について歌いたい。
アメリカのシンガー・ソングライター、ダン・フォーゲルバークにそう思わせたのは、マギー・スレイメーカーという美しい女性だった。
1979年。『Phoenix』に収められることになる「ロンガー」は、ダンが永遠の愛について歌ったものだ。
♪山に建つ大聖堂よりも強く
成長を続けるどんな木々よりも誠実に
太古の森よりも深く
僕は君と愛の世界で過ごしてきた♪
1978年。ダンは休暇でハワイ、マウイ島に滞在していた。
静かなリゾート地。陽は落ち、夜空には星が瞬き、波の音が聞こえてくる。
ダンはハンモックに揺られながら、夜空を見上げていた。
「その時、世界が完璧に思えたんだ。そして自然と歌が降りてきた」
そして傍らには愛する女性がいた。
♪僕は冬に暖かい火を
君は春に恵みの雨を
秋と夏には空を舞う
翼に愛を携えて♪
「ソングライターなら、誰もがクラシックと呼ばれるようなラブソングを書きたいと思っている」と、ダン・フォーゲルバーグは『Phoenix』が発売される前のプロモーション・インタビューで語っている。
「コール・ポーターが書いたラブソングや、ビートルズの『イエスタデイ』のような歌をね。永遠に残るような曲だよ」
そしてダン・フォーゲルバーグは「ロンガー」について、こんな希望を述べていた。
「この先もずっと、人々が結婚式で歌ってくれるような歌であれば、それは素晴らしいことさ」
「ロンガー」は今でも結婚式で歌い継がれている。
(このコラムは2015年6月11日に公開されました)