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「ライク・ア・ローリング・ストーン」でディランが歌った孤独

2024.07.20

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1965年7月25日。

ニューポート・フォーク・フェスティヴァルに集まった聴衆は、エレクトリック・ギターを手にし、アンプにつないだボブ・ディランに強烈な拒否感を示した。

ディランは、彼らが望んでいた「風に吹かれて」や「ミスター・タンブリンマン」ではなく、「マギーズ・ファーム」や「ライク・ア・ローリング・ストーン」を爆音ともいえる音量で演奏し始めたからである。


ディランの代表作でもあるアルバム「追憶のハイウェイ61」に収録された「ライク・ア・ローリング・ストーン」は、フォークの神様ボブ・ディランが、ロック・アーティストのボブ・ディランに変化した象徴的な曲だった。

だが、ディランはアメリカ音楽の伝統の上で、この曲を書き上げていた。


Like a Rolling Stone


Rolling Stoneは”A rolling stone gathers no moss”(転石苔を生ぜず)からとられている。

だが、ディランは、この諺自体というよりは、この「ローリング・ストーン」が歌詞に使われていた1949年のハンク・ウィリアムズの作品「ロスト・ハイウェイ」にアイディアを求めたらしい。


俺は転がる石(ローリング・ストーン)
ひとりぼっち、迷子だ


ハンク・ウィリアムズは、そう歌っている。


どんな気分だい?


ディランは歌う。


ひとりぼっちで
家への道もわからず
誰にも知られることなく
転がる石のようになった気分は?


転がる石、というフレーズをハンク・ウィリアムズが歌った翌年、マディー・ウォーターズが「ローリング・ストーン」を発表している。ローリング・ストーンズは、そのバンド名をマディの曲から取ったと言われている。




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