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ナット・キング・コール〜20世紀を代表する偉大なシンガーは、もともと“歌わないはずの”ピアニストだった

2022.02.15

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1965年2月15日、20世紀の音楽シーンに偉大な功績を残した男が、サンタモニカの病院で家族に看取られながら静かに息をひきとった。
14歳だった彼の次女は「自分も父のような歌手になるんだ」と心に誓ったという。
ジャズ・ピアニストからポップス・シンガーに転身し、まさに“ジャンルを超えた活躍”を体現した彼の命を奪ったのは肺癌だった。享年45。
その男の名はナット・キング・コール。
きっと40代以上の“音楽好き”ならば、彼の名前を、彼の歌声を一度は耳にしたことがあるだろう。
あの美空ひばりが、心からリスペクトしていた歌手として知っている人もいるだろう。


1919年、彼はアラバマ州のモンゴメリーで生まれた。
本名は、ナサニエル・アダムズ・コールズ(Nathaniel Adams Coles)。
往年のファンや洋楽通からは“ナッキンコール”と呼ばれることが多い。
彼がまだ駆け出しの頃、酔っ払ったお客さんが、ふざけて紙の冠を作って彼の頭にかぶせた事から“キング”の愛称がついたと言われている。

1921年、牧師だった父親の都合でシカゴに移住。
教会オルガン奏者だった母の手解きを受け、12歳から聖歌隊で演奏するようになる。
14歳の頃、兄・エディ・コールの影響で初めてのバンドを組み、19歳で兄の率いるセクステット(六重奏団)にピアノで参加しプロデビューする。

1939年、オスカー・ムーア(ギター)、ウエズリー・プリンス(ベース)と共にトリオバンドを結成。
ビッグバンド(ジャズのオーケストラ)が主流だった当時、Nat King Cole Trioの活動は革新的で“ジャズトリオ”のパイオニアとなった。

また、バンド結成当初、客席から歌のリクエストがあっても「僕ら3人は誰も歌わない」と断っていたが、出演していたクラブの支配人から「なじみの上客からの注文が入ったから歌ってくれ!」と、懇願され仕方なく歌ったのが“歌手=ナット・キング・コール”の誕生の瞬間だったと言われている。




ピアニストとしてデビューするつもりだった彼は、1942年にリリースした「Straighten Up and Fly Right」でボーカリストとして注目を集め、1948年にはデューク・エリントンの楽団歌手だったマリア・エリントンと結婚。
同年リリースした「Nature Boy」がミリオンセラーを記録し、1950年には「Mona Lisa」をヒットさせる。その活躍をきっかけに、1950年代以降はジャズ界からポピュラー界に軸足を移し、テレビにも多く出演して広く大衆的な人気を得る。
その後も「Stardust」、「Route 66」、「Too Young」、「It’s Only a Paper Moon」、「When I Fall In Love」、「L-O-V-E」など、彼が歌った数多くの曲は、現在も世界中で愛され続けているスタンダードとなった。
また、1954年に、チャップリンの映画『モダン・タイムス』(1936年)のテーマ曲だった「Smile」(インストルメンタル)を、歌詞付きで歌いヒットさせたのも彼である。


愛娘だったナタリー・コールもまた“あの日”心に誓った夢を叶え、R&Bからポップス、そして父が愛したジャズにいたるまで、まさに“ジャンルを超えた歌手”として成功を手にしていたが…2015年12月31日に65歳でこの世を去った。
ナタリーの遺族により、死因は特発性肺動脈性肺高血圧症による心不全だったことが発表された。
彼女は2008年にC型肝炎にかかったことを明らかにし、その後、腎臓移植を受けるなどして治療を続けていた。
薬物依存症で活動を停止した時期もあったが、1988年にブルース・スプリングスティーンのカバー曲「Pink Cadillac」で復活。
1991年には、父の声をオーバーダビングさせてジャズの名曲「Unforgettable(忘れられない人)」を発表し、グラミー賞の最優秀レコード賞など主要3賞に輝いた。
──今から約半世紀前にサンタモニカの病院で死別した父と娘は、きっと今ごろ天国で再会していることだろう。


忘れられない あなたのことが
忘れられない 遠くにいても 近くにいても
まるで頭から離れない恋の歌のよう
あなたへの想いがどれほど募るか…
今までにこんな想いを誰にも抱いたことなかった

忘れられない どんなときも
あなたは永遠に 私の中で生き続ける
愛する人よ こんなにも素晴らしいことならば
忘れることなどできぬ人がいることが
私もあなたの忘れられぬ人になりたい




こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。






『山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR “ちょっと長い関係の歌旅2022”】


1月15日(土)八幡DELSOL café
1月22日(土)福岡ROCK食堂(昼公演)
1月22日(土)福岡ROCK食堂2階Honey Bee(夜公演)
1月23日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis 
1月29日(土)大阪 新世界ヤンチャーズ
1月30日(日)和歌山OLD TIME
2月5日(土)久留米 農と音2号店 
2月6日(日)佐賀 雷神 
2月18日(金)横浜THUMBS UP
2月19日(土)静岡・御前崎Cook House椿
2月20日(日)名古屋ROLLINGMAN
2月22日(火)金沢JealousGuy
2月23日(水・祝)新潟Mush
3月4日(金)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’ 614
3月5日(土)沖縄・那覇Drunk CINDERELLA
3月6日(日)沖縄・宮古島 雅歌小屋
3月19日(土)下北沢ニュー風知空知
3月20日(日)茨城・水戸Jazz Bar Bluemoods
3月21日(月・祝)埼玉・所沢MOJO
3月25日(金)広島LIVE café Jive
3月26日(土)岡山Desperado
3月27日(日)徳島Music Bar Ricky
4月15日(金)小郡ジラソーレ
4月16日(土)熊本八代7th chord 
4月17日(日)大牟田 陽炎
4月21日(木)仙台HIGHBURY
4月22日(金)福島Harvest
4月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
4月24日(日)秋田・湯沢BASEMENT
4月28日(金)東広島pasta amare 
4月30日(土)福岡Bassic.(ライブ&スペシャルスライドショー)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12713121312.html






【歌ものがたり2022春〜雨ニモマケズ風ニモマケズ】


1月16日(日)長崎・タンゲ食堂
2月12日(土)東京・高円寺MOONSTOMP   
2月13日(日)埼玉・川越 大黒屋食堂  
2月26日(土)福岡・薬院 遊来友楽 
2月27日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
3月8日(火)福岡・大牟田Casual Bar Version
3月12日(土)群馬・前橋 呑竜横丁 
4月2日(土)兵庫・宝塚・IL grazie
4月3日(日)京都・四条大宮高辻 夜想 
4月9日(土)茨城・古河LIVESTATION ”L” 

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html




佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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