★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第100回
今回で100回目の連載を迎えることができました。
単曲ダウンロードやストリーミングサービスで音楽が消費されるようになり、アルバムという概念が崩れ去ってセールス不況が続くここ数年。
このコーナーは、アルバムジャケットを「色別に紹介+簡単な解説」をつけることによって、洋楽初心者にも分かりやすいガイドにすることを目的として始まりました。
今後も「アルバム単位で音楽が体験できる素晴らしさ」を訴求していきます。
あなたの好きな色は?〜TAP the COLORのバックナンバーはこちらから
サウンドトラック『Saturday Night Fever』(1977)
「Stayin’ Alive」「Night Fever」「How Deep Is Your Love」が立て続けにナンバーワンを獲得。最先端のディスコサウンドを収録した本盤は、ビルボードのアルバムチャートで24週連続1位という大記録を樹立して、世界で4000万枚以上をセールス。だが、実はビー・ジーズの3人は、映画のタイトルも知らず、作品もまったく見ずにこれらの曲を作ったという。しかも録音した場所はニューヨークではなく、フランスの田舎のスタジオだったそうだ。
(こちらもお読みください)
サタデー・ナイト・フィーバー〜世界で4000万枚を売った音楽と空前のディスコブーム
サウンドトラック『Fast Times at Ridgemont High』(1982)
『初体験リッジモント・ハイ』という邦題で知られる、今や最も評価の高い青春/学園映画の一つ。高校生を1年間だけやり直して“取材”したキャメロン・クロウの原作/脚本も話題になった。パット・ベネターを真似る女の子、レコード店でのデボラ・ハリーの看板、部屋に貼られたピート・タウンゼントのポスター、VANSのスニーカーなど小道具も見逃せない。音楽と卒業パーティのダンスも高校生活の一環ということで、サントラ盤は夢のような顔ぶれ。ジャクソン・ブラウン、ドン・ヘンリー、スティーヴィー・ニックス、ゴーゴーズ、ジミー・バフェット、サミー・ヘイガー、ドナ・サマーらがずらりと並ぶ。
(詳しくはこちらをお読みください)
初体験リッジモント・ハイ〜ビデオテープのある箇所で必ず画像が乱れた理由とは?
サウンドトラック『Footloose』(1984)
都会から田舎の保守的な高校に転校してきた少年の恋とダンスの物語。ケニー・ロギンスのテンションの高い主題歌で有名だが、サントラ盤の聴きどころは、ハートのアン・ウィルソンとラバーボーイのマイク・レノのデュエット「Almost Paradise」。また、日本でも浸透したボニー・タイラーの「Holding Out for a Hero」も収録。80年代のサントラブームを代表する忘れ得ぬ一作。2011年にはまさかのリメイク作品が撮られて話題になった。
サウンドトラック『Back to the Future』(1985)
1985年と1955年のアメリカのティーンライフを描いた、あまりにも有名な傑作青春映画のサントラ。自分の父親と母親が結ばれるはずのパーティで、R&Bバラード「Earth Angel」が流れるダンスシーンが印象的で感動的。その後、主人公はチャック・ベリーの「Johnny B. Goode」を弾くが、現実には1958年のヒット曲なのでまだ誰も知らないという設定もお洒落。ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法を披露して理解を得られなかったりと、全編に音楽ネタ満載で理屈抜きに楽しめる。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの主題歌も大ヒット。
【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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