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「TAP the COLOR」連載第136回
1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、2010年のセレモニーでは、ストゥージズ、ジミー・クリフ、ジェネシス、アバ、ホリーズらが殿堂入りした。
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イギー・ポップ『Nude & Rude: The Best of Iggy Pop』(1996)
1969年の『The Stooges』、1970年の『Fun House』、そして1973年の『Raw Power』の3枚は、イギー・ポップにとっての最重要作ということだけでなく、ロックの衝動という点からも最高峰に位置する作品群だ。不遇の時代も長い人だったが、次世代ミュージシャンや映画『ベルベット・ゴールドマイン』や『トレインスポッティング』などからのリスペクトや再評価を受けて、今ではリビング・レジェンドとなった。本作でイギーの足跡を振り返ろう。
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ジミー・クリフ『The Best of Jimmy Cliff』(1975)
ボブ・マーリィと並んで、新たな心臓の鼓動をとらえたレベル・ミュージックであるレゲエを世界に放ったアーティストとして知られるジミー・クリフ。そのきっかけは1972年の映画『ハーダー・ゼイ・カム』に主演して音楽を担当したこと。「俺の歌にはすべて“もがき”が入ってるんだ」──「The Harder They Come」「You Can Get It If You Really Want」「Many Rivers To Cross」すべてが伝説だ。
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ジェネシス『Nursery Cryme』(1971)
奇才ピーター・ガブリエルが在籍していた時代(1969〜1974年)のジェネシスは、6枚のオリジナル・アルバムと1枚のライヴ盤を残している。本作はそんな真っ只中の傑作の一つ。その後はフィル・コリンズが中心となってバンドは新生していくが、1980年代にはフィルがスーパースターとなったことでジェネシスもアルバムも売れまくった。同じ頃、ピーターがメインストリームで『So』を大ヒットさせたことも話題に。
アバ『Greatest Hits』(1975)
1970年代半ば、北欧スウェーデンから極上のポップグループが登場して英米マーケットを完全制覇する。彼らのサウンドはあらゆるライフシーンと見事にマッチして、ダンスフロアからミュージカル、最近のポップスターに至るまでその影響力はディケイドごとに膨れ上がっている。一度は耳にしたことのある名曲を多数持つ。本作はアバの最初のベスト盤。
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