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9月に去った男たち〜グラム・パーソンズ/ジョニー・ラモーンほか

2016.09.07

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「TAP the COLOR」連載第150回

9/7キース・ムーン(ザ・フー)、9/12ジョニー・キャッシュ、9/15ジョニー・ラモーン(ラモーンズ)、9/16マーク・ボラン(T・レックス)、9/18ジミ・ヘンドリックス、9/19グラム・パーソンズ、9/20ジム・クロウチ、9/25ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)、9/28マイルス・デイヴィス……9月に去っていった偉大なるミュージシャンたち。

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sweetheart-of-the-rodeo-52b2f1c11eb33-600x600 ザ・バーズ『Sweetheart of the Rodeo』(1968)
グラムの名が永遠に刻まれることなったバーズの重要作。カントリー・ロックの金字塔的作品。グラムが歌う「Hickory Wind」に心が震えない人などいるのだろうか。「グラムには、他の奴には見たことがない独特の資質があった。女を泣かせることができるんだ。女の涙を誘い、物悲しく切ない思いを届けることが。安っぽいお涙頂戴じゃない。心の琴線に触れるんだ。あいつにの手には特別な糸が、女の心の急所をつかむ無類の糸が握られていた。俺の足も涙の川を渡ってずぶ濡れだった」(キース・リチャーズ)
(こちらもお読みください)
キース・リチャーズとグラム・パーソンズ〜涙の川を渡った男たちの心の風景


81RU0qZ-nTL._SL1500_-600x600 ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス『Are You Experienced』(1967)
解説不要なジミヘンの伝説的デビュー作。イギリス盤とアメリカ盤(本作)では曲数は11曲と同じだが、ジャケットデザインと選曲が違う。アメリカ盤は「Red House」「Can You See Me」「Remember」の代わりに、「Purple Haze」「Hey Joe」「The Wind Cries Mary」を収録(ちなみにこの6曲は当時の編集盤『Smash Hits』にすべて収録されている)。ロックの色気と体臭が詰まった奇跡の名盤だ。

R-777613-1272393617.jpeg T・レックス『Futuristic Dragon』(1976)
グラム・ロックはマーク・ボランと共に誕生した。その歓喜の中で、血が騒ぐようなロックンロールの躍動が詰まったナンバーが聴けるのは、代表作『Electric Warrior』(1971)や大ヒット作『The Slider』(1972)かもしれない。しかし、本作のような人気が低迷した晩年の作品にこそミュージシャンとしての彼の本質が詰まっている。華麗なる人マーク・ボランの愛と苦悩が聴ける。

R-394419-1358345519-7884.jpeg1_-1 ラモーンズ『Road to Ruin』(1978)
世界で一番偉大な「1、2、3、4!」の掛け声はラモーンズだ。本作は彼らの4作目で、翌年出演した映画『ロックンロール・ハイスクール』のシーンでも有名な「I Just Want to Have Something to Do」が冒頭に収録されている。ギタリストのジョニーだけでなく、ジョーイもディー・ディーも亡くなってしまった。だがラモーンズのスリーコード・ロックンロールのスピリットは、世界中の数え切れないほどのバンドの中に今でも血と汗と涙となって流れ続ける。
(こちらもオススメです)
ロックンロール・ハイスクール〜最初は『ディスコ高校』にされたラモーンズ出演作

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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http://www.tapthepop.net/author/nakano
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