★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第286回〜RED〜
(9月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック/ポップ:ジミ・ヘンドリックス、グラム・パーソンズ、マーク・ボラン、キース・ムーン、ジョン・ボーナム、トム・フォガティ、ウォルター・ベッカー、ニッキー・ホプキンス、ジミー・マカロック(ウイングス)、ホルガー・シューカイ、ジョニー・ラモーン、クリフ・バートン(メタリカ)、ジム・クロウチ、ロバート・パーマー、メアリー・フォード、アンディ・ウィリアムス、ビリー・ヴォーン
カントリー/フォーク:ビル・モンロー、アーネスト・タブ、ジョニー・キャッシュ、ドディ・ウエスト
ブルーズ/R&B/ソウル:2パック
ジャズ:ベン・ウェブスター、マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス、ジャコ・パストリアス
その他:ペレス・プラード、ピーター・トッシュ、ルチアーノ・パヴァロッティ
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スティーリー・ダン『Aja』(1977)
AORの「永遠の名盤」であり、ドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカーによるユニットの代表作。ロック、ジャズ、ソウルを吸収しつつ、極上のポップスとして昇華させた芸術的なサウンドは日本でも人気が高かった。スタジオ・ミュージシャンにとって彼らと仕事することはステイタスと言われたほど、完全主義者のレコード作りは今聴いてもどこまでも心地良く、70年代の匂いが妙に新しい。有名なジャケット写真の女性はモデルの山口小夜子。ウォルター・ベッカーは2017年9月3日に死去。享年67。
ラモーンズ『End of the Century』(1980)
チャートやセールスとは一切縁がないラモーンズのキャリアだが、その影響力は計り知れない。スタジオ録音5枚目となった本作では、フィル・スペクターをプロデューサーに迎え制作。ジャケット写真も今までになくポップでカラフルな仕上がりに。賛否両論あったようだが、不滅の名曲「Do You Remember Rock ‘n’ Roll Radio?」収録というだけで、それだけですべてOK。新宿ツバキハウスでの大貫憲章「LONDON NITE」で必ず聴こえていた夜を思い出す。バンドを支えたギタリストのジョニー・ラモーンは2004年9月15日に死去。享年55。
ピーター・トッシュ『Bush Doctor』(1978)
ウェイラーズによって世界にレゲエが放たれた後、ボブ・マーリィと別れたピーター・トッシュ。ボブが引き続き外へ外へとその存在と思考を向けていく一方、ピーターはジャマイカ国内の搾取社会(バビロンシステム)と闘っていく。1976年のソロデビュー作『Legalize It』の大麻畑の中でガンジャを一服するジャケット写真は印象的だったが、ローリング・ストーンズ・レコードからのリリースとなったこの3作目では、キースやミックが参加。テンプテーションズのカバー「Don’t Look Back」でミックがデュエットして話題に。永遠の戦士であるピーターは1987年9月11日に死去。まだ42歳の若さだった。
パワー・ステーション『The Power Station』(1985)
デュラン・デュランのアンディ・テイラーとジョン・テイラー、シックのトニー・トンプソン、そしてロバート・パーマーによるスーパーグループの一つ。MTVでビデオクリップが流れまくった「Some Like It Hot」やマーク・ボランの「Get It On」がヒット。バンドを抜けたパーマーは翌年、『Riptide』で遂にアメリカで念願のブレイク。「Addicted to Love」がナンバーワン・ヒットを記録した。2003年9月26日死去、享年54。
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■中野充浩のプロフィール
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