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2月のナンバーワンアルバム⑦〜ボブ・ディラン/シャーデーほか

2019.02.20

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「TAP the COLOR」連載第327回〜GRAY〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。2月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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シャーデー『Soldier of Love』(2010)
英国を代表するディーバ、シャーデー・アデュを看板とするバンド。1984年のデビュー以来、リリースしたオリジナルアルバムはわずか6枚。本作は最新作である(3週1位)。ソウルのシャワー、ポップの泡、ジャズのローション……そのどれもに都市生活者の汚れた心身を洗い流してくれるような至福の感覚が漂う。


ボブ・ディラン『Desire』(1976)
ヒットチャートやセールス面ではこの頃がピークだったディラン。本作は70年代の代表作(5週1位)。エミルー・ハリスやスカーレット・リヴェラらの仕事が眩しい。この時の面々が伝説のツアー「ローリング・サンダー・レヴュー」へと繋がっていく。冤罪で投獄されたボクサーを歌った「Hurricane」がヒット。

ボン・ジョヴィ『Slippery When Wet』(1986)
アメリカよりも先に日本で人気者となっていたボン・ジョヴィの3作目は、世界的な大ブレイク作となった。そういう意味で初期のファンには歓喜であり、少し寂しい気持ちにもなったことだろう。これから100%約束された世界へと駆け上がっていく躍動感溢れるバンドの姿。世界で2800万枚以上を売り上げたモンスターアルバム(8週1位)からは、「You Give Love a Bad Name」と「Livin’ on a Prayer」の2つのナンバーワン・ヒットも生まれた。なお、過激なジャケットワークは日本向け(下写真)で、アメリカではこちらに差し替えられた。


ボビー・ブラウン『Don’t Be Cruel』(1988)
80年代後半〜90年代前半のR&Bシーンに一大センセーションを巻き起こしたニュー・ジャック・スウィング。その新種のサウンドを作り上げたのがガイのメンバーであり、プロデューサーのテディ・ライリーだった。そんな彼が同世代のボビー・ブラウンに提供したのがナンバーワン・ヒットとなる「My Prerogative」。そしてこの曲を含む本作(6週1位)でボビーは一躍スーパースターの座を獲得。日本でもダンスやファッションで有名に……アメリカではヒップホップとソウルの融合がすぐそこまで来ていた。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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