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7月に去ったレジェンド⑤〜メアリー・ウェルズ/ミニー・リパートンほか

2019.07.24

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「TAP the COLOR」連載第372回〜MONOCHROME〜

(7月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック/ポップ:ブライアン・ジョーンズ、ジム・モリソン、キャス・エリオット、クラレンス・ホワイト、J.J.ケイル、チャス・チャンドラー、ジョニー・ウィンター、ジョン・ロード、トニー・ラモーン、ニコ、エイミー・ワインハウス、チェスター・ベニントン

カントリー/フォーク:ロイ・ロジャース、ハリー・チェイピン、レフティ・フリーゼル、チャーリー・リッチ、リン・アンダーソン

ブルーズ/R&B/ソウル:ミシシッピ・フレッド・マクダウェル、ライトニン・スリム、ビッグ・ママ・ソーントン、メリー・ウェルズ、ヴァン・マッコイ、ミニー・リパートン

ジャズ:ルイ・アームストロング、ビリー・ホリデイ、バド・パウエル、ジョン・コルトレーン、ジョニー・グリフィン

その他:ジョージ・ガーシュイン、ジョアン・ジルベルト、ウルフマン・ジャック、サム・シェパード


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ビリー・ホリデイ『20th Century Masters: Best Of Billie Holiday』
ビリー・ホリデイに重いイメージを抱いている人は少なくない。それは不幸な少女時代、アルコールや薬物への依存、人種差別との遭遇、逮捕と裁判、刑務所での服役、代表曲の一つ「奇妙な果実」などの影響もあるだろう。しかしそれは彼女の一部であって、躍動感と喜びに溢れるビリー・ホリデイを聴き逃してはならない。本作のような編集盤ではそんな幅広さが体験できるかもしれない。1959年7月17日、44歳で死去。


ビッグ・ママ・ソーントン『Hound Dog-Peacock Recordings』
「歌いっぷり」という表現が似合う女性シンガーはどれだけいるだろう。シスター・ロゼッタ・シャープやアレサ・フランクリンもそうだが、男まさりの迫力の中にも最も女性な部分が息づいていて、こういう人たちはそれを前面に押し出すのではなく、あくまでも色気のように見え隠れする程度の歌い方をする。のちにエルヴィスが歌って有名になる「Hound Dog」はこのビッグ・ママが最初。本作は1950年代の全盛期をまとめたもの。1984年7月25日、57歳で死去。

メアリー・ウェルズ『20th Century Masters: Best Of Mary Wells』
モータウン最初の女性スターとなったメアリー・ウェルズ。R&Bチャートで放ったトップ10ヒットはわずか4年で12曲(うち3曲がNo.1)。本作は代表曲「My Guy」などを収録した編集盤。ウェルズは歌い手の権利を主張した信念ある人だった。創始者ベリー・ゴーディ相手に、デビュー時の不利な契約を改めて受け取るべき報酬を全額支払うよう訴えたこともある。モータウンから解放された後も歌手として活躍。死の直前、27年にも及んだモータウンとの争いはウェルズが勝ち取った。1992年7月26日、49歳で死去。

ミニー・リパートン『The Best of Minnie Riperton』(1981)
「Lovin’ You」という一曲だけでその名が永遠になったミニー・リパートン。10代半ばの頃からプロとして音楽活動をスタート。1970年には自身名義の最初のアルバムをリリースした。有名なスティーヴィー・ワンダーとのエピソードを経て、75年に「Lovin’ You」が大ヒット。彼女の人生については「同じ苦しみを抱える女性へ、ポジティヴなメッセージを送り続けたミニー・リパートン」で詳しく。1979年7月12日、31歳の若さで亡くなった。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
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