いつもの席で 生まれる煙を見ていた
繰り返す日々を 抱きしめたくなるときもある
窓の外側 足並み揃わない
それぞれのリズム
揺れる、なぜかひとつの音楽になる
(「ファンファーレ」より)
ソングライティングの多くを手がける中川理沙(ボーカル、ピアノ)を中心に、2008年4月に結成された〈ザ・なつやすみバンド〉。その名前には、「毎日がなつやすみであれ!」という想いが込められているのだそう。メンバーチェンジを経て、現在は中川、高木潤(ベース)、村野瑞希(ドラム)、そして自身のバンドである〈片想い〉や以前当コラムでも紹介した〈cero〉のサポートでも活躍するMC.sirafu(スティールパン、トランペット)の4人で活動している。個性的なアンサンブルによって展開されるライブが話題を呼び、リリース作品が無い段階から東京のインディー・シーンで大きな注目を集めることとなった。2012年に自主制作で発表したファースト・アルバム『TNB!』は、第5回CDショップ大賞にもノミネートされ、ロングセラーとなっている。
8cmの短冊CDシングルや無料配信のEPなどを断続的に発表し、聴き手の期待が最高潮に高まっているなか完成したザ・なつやすみバンドのセカンド・アルバム『パラード』。実に3年ぶりとなる彼らのフル・アルバムはメジャー・レーベルからのリリースとなった。日常に鳴り響くファンファーレのような表題曲「パラード」を筆頭に、うららかさとうらさびしさがめくるめくように交差するポップス・チューン「(春)はどこへいった?」、カリブ音楽を連想させるトロピカル感からフリーキーに展開していく様がスリリングな「ユリイカ」、ボサノヴァ〜MPBの影響を匂わす「かぜまちライン」、スティールギターの優雅な響きが美しいブルーグラス「鳥は舞いおりた」、A&Mあたりのを彷彿させる爽やかなクロージング・ナンバー「ファンファーレ」……時にギターやストリングス、電子音なども織り交ぜ、彩り豊かなアンサンブルを組み立てていく。
どこか夢見心地なサウンドに乗せて歌われるのは、ささやかな暮らしの中で生まれる感情の起伏を丁寧に拾っていく言葉たち──彼らが謳う〈なつやすみ〉とは、日々の生活に追われて疲れた心を、ひとときエスケープさせる大切な場所──ザ・なつやすみバンドが奏でるポップスは、世知辛いこの世を楽しく踊り歩いていくためのダンス・ミュージックなのだ。
神様ウカウカしてるから 世界は終末みたいね
金曜日 土曜日 日曜日
迫る波 乗りこなして めざせ!
曖昧で ゆらゆらする 真夏のようなムードを キープする
ぼくらは S.S.W(スーパーサマーウィークエンダー)
(中略)
毎日がなつやすみだったらいいのになぁ・・・・
(「S.S.W(スーパーサマーウィークエンダー)」より)
ザ・なつやすみバンド official website
http://natsuyasumi.hiyamugi.com/
ザ・なつやすみバンド「パラード」 MV
ザ・なつやすみバンド「ファンファーレ」 Acoustic Live Session
ザ・なつやすみバンド 2nd album『パラード』
リリース記念ワンマンライブツアー
5月9日(土)大阪・梅田 シャングリラ
5月16日(土)愛知・名古屋 得三
5月24日(日)東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
詳しくは ザ・なつやすみバンド official website にてご確認ください。