TAP the CHANGE

2トーンのサウンドを受け継いだグウェン・ステファニーとノー・ダウト

2017.02.21

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1980年台前半にイギリスで一大ムーブメントを巻き起こした、2トーン・レーベルを中心としたスカ・ブーム。
しかしワム!やデュラン・デュラン、カルチャー・クラブといった面々が台頭すると、その新しい波に押し流されるようにしてブームはあっけなく収束してしまう。
そんな2トーンのサウンドを受け継いだのが、海を超えたアメリカで1992年にデビューしたバンド、ノー・ダウトだ。

ボーカルのグウェン・ルネイ・ステファニーが生まれたのは1969年の10月3日。
グウェンという名前は1968年に発行されたアーサー・ヘイリーの小説「大空港」に登場する人物から、ミドル・ネームはモータウンのフォー・トップスがカバーしてヒットさせた「ウォーク・アウェイ・ルネイ」から取って付けられた。

ロサンゼルスの南東に位置するオレンジ・カウンティで生まれ育ったグウェンがよく耳にしていたのは、両親が好きだったというボブ・ディランやエミルー・ハリスといったフォーク・ミュージックだったという。
そんな彼女が2トーン・レーベル出身のスカ・バンドと出会ったのはまだ高校生だった1986年、兄に薦められて聴いたのがきっかけだった。

「マッドネスにスペシャルズ、ザ・セレクターね。私が初めてその音楽に出会ったとき、彼らはまさにアンダーグラウンドな存在だったわ」


彼らはイギリスでこそトップ10入りの常連だったが、アメリカではシングルもアルバムもヒットせず、ほとんどは50位以内に入ることもできなかった。

2トーンの音楽と出会ったグウェンは、のちに「私の人生はスカとともにあるわ」というほどスカに夢中になる。
それがきっかけとなり、兄のエリックとともにアップル・コアというスカ・バンドを結成、のちにバンド名はノー・ダウトとなった。
当初はコーラスとして参加していたグウェンだったが、メンバー・チェンジを繰り返す中でメイン・ボーカルへと昇格し、1992年には1stアルバム『ノー・ダウト』で念願のデビューを果たす。



スカを根底に感じさせつつ、様々なジャンルの音楽をミックスさせた意欲作だったが、当時のアメリカではニルヴァーナを筆頭にした退廃的な雰囲気の漂うグランジが支持を集めており、デビュー・アルバムは全くヒットせずに終わってしまった。
その後も苦難の日々が続き、1994年にはスカを教えてくれ、バンドの中心として牽引してきた兄のエリックが脱退してしまう。

風向きが変わったのは1995年の10月に3rdアルバム『トラジック・キングダム』をリリースしてからだ。
このアルバムは地道なプロモーションと、リード・シングル「ドント・スピーク」がラジオから火がついたことによってじわじわと売上を伸ばしていき、リリースから1年以上が過ぎた1996年の12月にはついに全米チャート1位を獲得する。
最終的には全世界で1600万枚を売り上げる大ヒットとなった。



イギリスで過去のものとなっていた2トーンのサウンドは、2トーンのまったくウケなかったアメリカで誕生したバンドに受け継がれ、全世界へと広まっていくのだった。



No Doubt『Tragic Kingdom』
Trauma Records


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