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11月のナンバーワンアルバム⑩〜レッド・ツェッペリン/サンタナほか

2018.11.21

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「TAP the COLOR」連載第303回〜COLORFUL〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。11月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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レッド・ツェッペリン『Led Zeppelin III』(1970)
『I』と『II』でハードロック・バンドとしての実力と存在感を確立したツェッペリンがリリースした3枚目(4週1位)。「移民の歌」「貴方を愛し続けて」などを収録。これまでの延長線上にあるダイナミックなサウンドを期待した評論家からは、本作で展開されるアコースティックに傾倒した世界観は「おとなしすぎる」と酷評された。ユニークでポップなアルバムジャケットも賛否両論。しかし、ツェッペリンは強かった。最高傑作『IV』が出るのは翌年だ。


サンタナ『Shaman』(2002)
世紀末に『Supernatural』で突如として大復活を遂げたサンタナが、前作のムードを踏襲して様々なゲストを迎える路線でリリースしたのが本作(1週1位)。中でもギターロック期待の星ミシェル・ブランチをfeat.してヒットした「The Game Of Love」は、聴いているだけでワクワクしてしまう。

ビートルズ『Anthology 3』(1996)
CD・ビデオ・書籍のメディアミックスでリリースされたビートルズ・プロジェクトの一つ。過剰な供給をせず、一つ一つに高いイベント性を持たせて、話題を作っていくのが解散後のビートルズ流ビジネス。アンソロジー・シリーズは全部で3作あり、本作(1週1位)はその完結編にあたる。ビートルズを知らない世代はこうした企画盤には手を出さずに、ベスト盤やオリジナルから入ってほしい。

マイケル・ジャクソン『Michael Jackson’s This Is It』(2009)
2009年6月に50歳で他界したマイケル。本作はその死後にリリースされた同名ドキュメンタリー映画のサントラ(1週1位)。映画の方は本来なら実現していたはずの復活ワールドツアーのリハーサル映像が中心に使われている。アルバムにはマイケルのヒット曲が多数収録。とにかく衝撃的な最期だっただけに、世界中のファンがショックを受けた。一級のエンターテインメントに拘り続けたアーティストの生き様、軌跡が刻まれた。

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