「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

季節(いま)の歌

四月になれば彼女は〜ポール・サイモンのセンスが光る2分足らずの秀作

2023.03.31

Pocket
LINEで送る


この「April Come She Will(四月になれば彼女は)」は、サイモン&ガーファンクルの2ndアルバム『Sounds of Silence』(1966年)に収録された楽曲だ。
ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』(1967年)の挿入歌としても有名なイギリスの伝統的バラード「Scarborough Fair」のB面としてシングルカットされ話題となった。


ポール・サイモンは一人の男性の恋愛体験を、わずか2分足らずのこの作品に凝集した。
歌詞は4月~9月に至るまでの“She=彼女”の心の変わりを歌い、歌い手である男性が9月になってこの恋愛を“過去のもの”として懐かしむといった内容となっている。
誰もが一度は経験する恋愛体験を、4月~9月の6ヶ月(半年)という短いスパンの季節に重ねて歌い上げた作品だ。
独特の描写が秀逸なこの歌詞には、効果的な韻が各月ごとに踏まれている。

「April 」と「will」
「May」と「stay」
「June」と「tune」
「July」と「fly」
「August」と「must」
「September」と「remember」

春、それは長い冬が終り…明るい希望に溢れる季節。
アメリカでは、新学期が9月に始まるので、8月に学生時代の恋が終るというケースが多くあるという。
この歌の背景には、そんな“青春の感傷”が漂っている。
2分足らずのとても短い楽曲の中で、季節の“移り変わり”と女性の“心変わり”が重なってゆく様が何とも切なく…そして美しく描かれている。

4月、彼女が僕の前に現れた
川は満ちて雨で潤う頃
5月、彼女はここで暮らし始める
彼女は再び私の腕の中で安らぐようになる

6月、彼女は変わってしまった
落ち着かず歩き回り、夜には出かけるようになった
7月、彼女は飛び立っていった
僕のもとを不意に去ってしまったんだ

8月、彼女はいなくなってしまった
秋風が冷たく肌をさす
9月、僕は思い出すだろう…
あの頃新鮮に感じていた愛も、やがては古びて消えてしまうもの…






こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。





【佐々木モトアキ公演スケジュール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html




佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
ライブイベントの紹介・宣伝文や、アーティストの紹介文なども対応できます。
音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。


音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
sasa@barubora.jp
090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[季節(いま)の歌]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ