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The Times They Are A-Changin’〜変わりゆく時代、変わることのない歌のチカラ

2015.10.04

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19歳になったボブ・ディランは、ミネソタ大学を中退して単身ニューヨークに移住する計画を立てていた。
1961年1月20日、テレビのブラウン管に映し出されたジョン・F・ケネディの大統領就任演説を眺めながら、彼はこの歌詞をノートに走り書きしたのだという。
本人曰く「アイルランドやスコットランドに伝わる古いバラッドをベースにして書き上げた」と言うこの楽曲は、その後ボブ・ディランが23歳の時にリリースした3作目のスタジオアルバム『The Times They Are A-Changin’(時代は変る)』(1964年)のタイトルナンバーとして世に出される。
奇しくも、ディランがこの歌をレコーディングした1963年10月24日から一ヶ月も経たない11月22日にケネディ大統領が暗殺され…悲劇と共に一つの時代が変わっていった。

ここかしこに散らばっている人よ、集まって!
周りの水かさが増しているのをごらん
まもなく骨までずぶ濡れになってしまうのがおわかりだろう
あんたの時間が貴重だと思ったら泳ぎはじめた方がいい
さもなくば石のように沈んでしまう
とにかく時代は変わりつつあるんだから


エリック・クラプトンは、あるインタビューでこのアルバムについて「ディランの中で最も重要なレコードだ」と発言している。
世代・性別・ジャンルを超えたミュージシャン達がこの楽曲をカヴァーする中、ディランからの影響を多大に受けていることを自他ともに認めるブルース・スプリングスティーンやトレイシー・チャップマン、そしてエディ・ヴェダー(パール・ジャム)など“特別な歌”として取り上げている。





日々発行される新聞。
放送されるテレビ。
配信されるネットやSNS。
そこには様々な情報が洪水のように溢れ、飛び交っています。
政治、経済、国際情勢、健康、環境、文化、芸能、スポーツなどなど。
私達の未来に直接関わるニュースも少なくはない。
保守的な捉え方。
リベラルな考え方。
何かに対して「反対だ!」「賛成だ!」「それは間違っている!」「こちらが正しい!」と、自分の考えを主張する人達がいる。
サイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)と云われる人達もいる。
私達が暮らす社会において、人の心は「情報」によって左右されるという。
一握りの権力者や一部の人間の都合で、何かが隠されたり、ねじ曲げられたり、すり替えられたりしているのかもしれない。
たとえそれが“どうしようもない事実”だったとしても…。
信頼できる「情報」が入手できない世の中になったとしても…。
誠実なアーティスト達が生み出してきた歌は教えてくれる。
物事の本質を「知ること」「伝えること」そして「自分の事として考えてみること」の大切さを。



【スペシャルライブレポート】中川五郎が語る“今”のボブ・ディランの魅力とは?


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ボブ・ディラン『The Times They Are A-Changin’』

(1964/Sony)




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