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BLUESの旅路②〜ハウリン・ウルフ/ハウンド・ドッグ・テイラーほか

2015.12.09

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「TAP the COLOR」連載第111回

ブルース(正確にはブルーズ)を聴いたり目の前の演奏に接したりすることは、言うまでもなく一つの体験であると同時に、それは時と場所を巡る旅でもある。スタート地点はミシシッピ川、綿花畑、ハイウェイ61……といったところだろうか。長い旅路では様々な人生、苦悩、歓喜といった風景を見ることになる。旅人たちはそれを決して忘れることはできない。

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Moanin-in-the-Moonlight-howlin-wolf-vinili-lp25B15D ハウリン・ウルフ『Moanin’ in the Moonlight』
シカゴ・ブルースの名門チェスの顔役として、マディ・ウォーターズと人気を二分していたのがハウリン・ウルフ。一度耳にしたら忘れられない独特の潰れた声。荒れた感じが最大の魅力。190㎝、120㎏という巨漢から唸るブルースは、まさに吠える狼。1951〜58年録音。バンドサウンドに欠かせなかったヒューバート・サムリンのギタープレイも聴きもの。1976年死去。


510RZHV0ZKL B.B.キング『Original Greatest Hits』
今年5月、89歳で永眠したB.B.キング。あらゆるジャンルのミュージシャンと交流・共演して、ブルース音楽を世界中に広げたその功績は余りにも大きい。チョーキングを主体とする泣きのスクィーズ・ギターとゴスペル的な感覚のこぶし回し(メリスマ)でシャウトする歌唱で1950年代にブルースの新時代を築き、以来「モダン・ブルースの顔役」として年間平均330回公演という巡業生活を40年以上も続けた。本作は弱小レーベルでの1949年の初録音から、モダン/ケントでの黄金の1950年代を経て60年代前半までを辿るアンソロジー。
(こちらもオススメです)
B.B.キング追悼~ブルース・シンガーになるということは、二度黒人になるようなものだ


Unknown フレディ・キング『Blues Guitar Hero』
B.B.やアルバートと並んで「ブルースの3大キング」と称され、60年代のロックシーンに多大な影響を与えたフレディ・キング。本作は1960〜64年録音の絶頂期をまとめた編集盤。ブルース・クラシックとなった「Hide Away」に代表されるインスト・プレイから熱いスローブルースまで、フレディのギターがこれでもかってくらいに堪能できる。モダン・ブルースの旅で出逢う巨人の一人だ。1976年12月死去。


81uS1DCq1wL._SL1050_ ハウンド・ドッグ・テイラー『Release the Hound』
50年代から活動しながらも、1971年に54歳でアルバムデビューを果たしたハウンド・ドッグ・テイラー。自身のバンドであるハウスロッカーズはベースレスという編成で、エルモア・ジェイムズ直系のスライドギターが爆発する。本作は死後30年近く経った2004年にリリースされたライブ音源。1971〜75年録音。ブルースの凄さ、エグさに圧倒される70分間だ。


*参考/『ブルースCDガイドブック2.0』(小出斉 著)

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