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11月のナンバーワンアルバム②〜ローリング・ストーンズ/エルトン・ジョンほか

2017.11.08

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「TAP the COLOR」連載第218回〜YELLOW〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。11月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ローリング・ストーンズ『Goats Head Soup』(1973)
ストーンズのアルバムとしては、真の黄金期と言われる1968〜1972年の間にリリースされた『ベガーズ・バンケット』『レット・イット・ブリード』『スティッキー・フィンガーズ』『メインストリートのならず者』といった超強力な作品群の後だけに地味な印象を受けるが、改めて聴くとかなりの傑作だ(4週連続1位)。ストーンズの魅力は同じバラードなら大ヒットした「Angie」よりも、この頃ドラッグで最悪の状態にあったキースの歌う「Coming Down Again」にあるし、「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)」のような曲はこの時代にしか生まれなかった。そして何と言っても「Silver Train」のカッコ良さ!!


エルトン・ジョン『Goodbye Yellow Brick Road』(1973)
1973年11月、上のストーンズのアルバムを蹴落としてチャートのトップに立ったのがエルトンの最高傑作の一つと言われる本作(8週連続1位)だった。タイトル曲のほか「Candle in the Wind」や「Bennie and the Jets」などの代表曲を収録。作詞の相棒バーニー・トーピンとのコンビは絶好調で、70年代には7枚ものナンバーワン・アルバムを記録した。

メン・アット・ワーク『Business as Usual』(1982)
出身地のオーストラリアでは1981年にリリースされた、メン・アット・ワークの大ヒットしたデビュー盤。「Who Can It Be Now?」(邦題「ノックは夜中に」)と「Down Under」の2曲の全米ナンバーワンヒットも生んだ。15週連続1位を走っていた本作を止めたのが、マイケルの「スリラー」だったのは有名。MTV時代の幕開けもあって若い世代から人気を得た。エア・サプライと並んでオーストラリアの魅力を広めたバンド。グラミー賞の最優秀新人賞にも輝く。

クロスビー、スティルス&ナッシュ『So Far』(1974)
激動の時代の中に生きたウッドストック世代を象徴するスーパー・グループ。リアルタイムで彼らを体験した人にとっては、あのヴォーカル・ハーモニーを聞こえてくるだけで当時の風景が生々しくカラーのままで甦ってくるに違いない。本作は69〜70年というロックが最も熱かった頃に録音された代表曲を収録したベスト盤(1週のみ1位)。もちろんニール・ヤングを加えたCSN&Yとしての曲も聴ける。

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